中公クラシックス
平和の代償

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  • サイズ B40判/ページ数 252p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121601360
  • NDC分類 319.8
  • Cコード C1231

内容説明

「成熟」と「慎慮」、より過剰に傾斜しない「均整の感覚」を磨く―政治的リアリストが説く安全保障。

目次

米国の戦争観と毛沢東の挑戦
日本外交における拘束と選択
国家目標としての安全と独立

著者等紹介

永井陽之助[ナガイヨウノスケ]
政治学者。東京工業大学・青山学院大学名誉教授。1924(大正13)年生まれ。1950(昭和25)年、東京大学法学部卒業。ハーバード大学に研究員として在学中の1962年にキューバ危機が起こり、国際政治のリアリズムに関する研究を始める。非武装中立を批判する一方、軍事力の過大評価を警戒しタカ派も批判した。1967(昭和42)年、「日本外交における拘束と選択」で吉野作造賞を受賞。2008(平成20)年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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Kenya

4
政治的リアリストとは現実主義者ではない。それをも内包する包括的研究プトグラムといえるのではないか。『機構型』『制度型』『状況型』の分類は的確である。個人的な驚きとして、米ソ中のトライアングル外交をキッシンジャーとは違った方向から語ったということ。そこには日本と中国がともに歩んできた歴史の深い洞察がある。ソ連は少なくともヨーロッパであり、その意味で非常に理性的でさえあり、中国の脅威をそれ以上と語っているのは興味深い。加えて、ケナンの世界観に繋がるのか見分けなくては。2013/02/16

壱萬弐仟縁

4
「国家目標としての安全と独立」で大事なのは、追求すべき価値としての福祉と名誉、穏健と急進に絡む二律背反である(櫻田淳解説7ページ)。福祉と名誉は併走できるのだ。不確実な世界に対応する有効法は、オプションの獲得(36ページ)。選択肢があれば選ぶ判断力が試される。外交とはしてみれば意思決定の連続。また、自然村的国際観は興味深い(193ページ)。内と外という日本人的発想が国際関係に応用されることは面白い。現在国境や領土問題が取り沙汰されているが、共有の発想も今後平和の補填のなるかもしれない。2012/09/05

あんころもち

3
どうしたら世界は平和になるか。「国際政治」のメインテーマであり、多くの人が考えることであろう。著者は非武装中立や軍事大国化といった主張(?)を批判し、「慎慮」するしかなく、それは「忍耐と自制の迂路」である、とする。 ある意味当たり前である。「そりゃそうだ」と考える人もいるだろう。事実、それさえあれば平和にしてくれるような、ドラえもんの道具は存在しない。しかし、人は核兵器であれ、米軍撤退であれ、「『何か』さえあれば(なければ)、何か行動を起こせば(起こさなければ)、きっと平和になるに違いない」という「全能2014/02/02

kazutoshi

3
永井陽之助の名著が復刊。本書は時事評論だか、本書に書いてある当時の日本への忠告は残念ながら現代にも迷走し続ける日本外交、安全保証にも時代を超えても通用する。国際政治学者、高坂正堯と並ぶ著名な学者なので今回復刊された事は非常に嬉しい。2012/08/27

Studies

2
日本人の著作のしては最高水準。2015/08/31

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