講談社文庫<br> 小説 琉球処分〈上〉

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講談社文庫
小説 琉球処分〈上〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 528p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062767699
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

「数日前から『琉球処分』という本を読んでいるが、沖縄の歴史を私なりに理解を深めていこうとも思っている」――内閣総理大臣 菅直人

清国と薩摩藩に両属していた琉球――日本が明治の世となったため、薩摩藩の圧制から逃れられる希望を抱いていた。ところが、明治政府の大久保利通卿が断行した台湾出兵など数々の施策は、琉球を完全に清から切り離し日本に組み入れるための布石であった。琉球と日本との不可思議な交渉が始まったのである。

<琉球処分とはいったい何か? 明治初期まで沖縄には、琉球王国という独自の国家があった。日本政府は軍事的圧力で琉球王国を解体した。これを琉球処分という。>
<歴史書を読めば、琉球処分の経緯に関する知識を身につけることができる。しかし、知識だけでは、沖縄の人々の心情を理解することができない。そのためには優れた小説を読むことが有益だ。>――佐藤優 解説より

物語の背景
ぼんやり王国
恩賜の「琉球藩」
一葉落ちるころ
属領見習
与那原良朝の夢と現実
日本よ裏切るな
外交だらけの国
巨塔と古井戸
冷える夏
処分官と弁当
首里城南殿
屋良座沖の野望
ただふしぎな蒙昧


大城 立裕[オオシロ タツヒロ]
著・文・その他

内容説明

清国と薩摩藩に両属していた琉球―日本が明治の世となったため、薩摩藩の圧制から逃れられる希望を抱いていた。ところが、明治政府の大久保利通卿が断行した台湾出兵など数々の施策は、琉球を完全に清から切り離し日本に組み入れるための布石であった。琉球と日本との不可思議な交渉が始まったのである。

著者等紹介

大城立裕[オオシロタツヒロ]
1925年沖縄県中頭部中城村生まれ。沖縄県立二中を卒業後、上海の東亜同文書院大学予科に入学。敗戦で大学閉鎖のため、学部中退。’47年琉球列島米穀生産土地開拓庁に就職。’48年野嵩(現普天間)高校教師に転職し文学と演劇の指導にあたる。’49年「老翁記」で小説デビュー。’59年「小説琉球処分」連載開始。’67年「カクテル・パーティー」で芥川賞受賞。また沖縄史料編集所所長、沖縄県立博物館館長などを歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ヴェネツィア

381
大城立裕は芥川賞作の『カクテルパーティ』以来、実に久しぶり。本書は芥川賞受賞以前に書かれたもののようだ。今回も主題を背負うのは沖縄。ただ沖縄にとっては未だ琉球の時代。そして、日本は明治維新を経て近代国家に邁進する時代を描いた歴史小説である。タイトルの「琉球処分」(これは当時の日本側の命名)は、琉球の側からすればなんとも高圧的、侮蔑的な響きである。時の日本政府にとっては、琉球を清に奪われることなく、日本の領土として割譲するべく画策していたのであり、まさに琉球をいかに処分するかに腐心していた。一方、未だ⇒2020/06/25

まーくん

91
南海の小国琉球王国は中華王朝の冊封体制の中、中継貿易で栄えたが、17C初め、薩摩藩はその利益を狙い朝貢体制そのままに支配権を確立。以来、2世紀半。明治新政府は近隣諸国との関係再構築に当たり、清国と薩摩藩の両属ともいえる曖昧な琉球王国の立場を、遭難した琉球漁民が台湾生蕃に殺害された事件を利用、清国の責任を追及することにより日本領に確定させた。というのが教科書的知識であるが、いったい当の琉球の人たちの気持ちはどうであったのか?この小説は三司官などの支配層やその子息青年層の生き方を通し、王国の運命を紡いでいく。2020/03/29

hiro

66
佐藤優氏の本でこの小説を知った。基地問題、スコットランド独立問題、作家と政治家の沖縄地方紙をつぶせ発言、戦後70年等々、日本人として「琉球処分」を知らなければと思ってこの本を読むことにした。ここで幾度も出てくる、中国と島津との両属政治、その島津の圧制、そして、琉球王国での武器廃止、百姓への圧政という封建時代を経て、明治維新の後、中央政府と琉球藩との駆け引きが始まる。小説だからわかることも多く、沖縄を知るためには是非読むべき本だと思う。琉球藩の問題先延ばしに対し、松田はどのように処分を下すのか。下巻を読む。2015/08/28

kawa

46
日清間でどちらとも親和的に等距離外交を試みる琉球王国が、明治維新により沖縄県として日本の完全統治下に置かれる過程を小説化。佐藤優氏「世界史の極意」での推薦本。知らなかった沖縄史にびっくりしながら下巻へ。2020/03/05

Willie the Wildcat

38
維新。曖昧な位置づけが、”国”を、そして市民を惑わす・・・。時代の波に抗う術を模索する国王側近。根底にある文化の違いが、”認識”の乖離をじわじわと広げる。時間が勝負である中での、時間の感覚の相違が痛い。故の『無駄の効用』也。但し、「蒙昧」には違和感。一方、税負担軽減も備蓄にまわされるなど、何時の時代も泣くのは市民・・・。救いは、伊地知や松田の民情研究への姿勢。翻弄されるも、異文化間の理解を深める着実な第一歩。悲しいかな、時勢が時間を縛る・・・。2014/04/12

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