感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ニミッツクラス
26
82年(昭和57年)の360円の文庫初版。ライバーの二剣士F&GM(全7巻、邦訳5巻)の3巻目。93年に濃い異装版、05年に現在の改訳新版が出た。異装版までの訳者は浅倉氏の大谷名義で、その後は浅倉名義。本書の底本は米68年連作短編集。最初に書かれたが故に地球との接点を無視できなかった「魔道士の仕掛け(47年)」を大トリとし、それに向けて既存の短編3編と繋ぎの書下ろし2編から成る。勢いで意気投合した二剣士が袂を分かったり、噴飯な呪いに掛かったり、とある双子兄妹の物語がでたりと構成上の工夫がある。★★★★☆☆2024/01/31
マサトク
4
まあしかし、なんとヘンテコな小説だろう。カムバック作品ならではか。第一作以降は軽妙な剣と弁舌で立ち回ってきたマウザーも魔法に手を出すし(しかし、やはりそれほど出番はない)、異世界に、というか古代ギリシア世界に二人は飛ばされるし、「七つ目のニンゴブル」はおもしろキャラとして延々顔を出すし。アンラとアフラのエピソードが、彼女の一人語りとして延々描かれるのは「おはなし」的面白さはあるし牽引力もあるのだが、物語的には奇形だよな。いずれにしても黎明期の作品、という読み味ではある。好きですけどね。2022/05/08
竜王五代の人
2
再読。このシリーズならず、ライバーの作品の中で一番好きな本。もともとこのシリーズ、怪奇とギャグがほどよく混じりあった作風で、主人公二剣士も三枚目だけど、その程合いがよい。「憎しみの雲」は怪奇ながら主人公たちの掛け合いが笑える。巻頭の紹介文もなかなかおしゃれ。中編「魔道士の仕掛け」は現実世界(ヘレニズム時代の中東)を舞台にするだけに、比喩の用い方がよい。/柳柊二が描いた表紙の初版で読んだ。2023/07/17
錯乱坊
2
旧表紙の本で読みました。