感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
skellig@topsy-turvy
19
透明で、ちょっぴり痺れる毒が含まれた蜜のような作品だった。表題作の主人公の気持ちに感情移入しつつ、恐らくは強すぎる姉への憧憬と血肉の気配が静かに蟠る幼年期の記憶に惹かれながら読了。ものを話す猫が出てくるくだりなどは、和風ファンタジーのようで癒される。身を苛むほどの憧れが通底する主人公の世界は静謐で鮮烈。2013/10/30
みつ@---暗転。
3
**** 文藝賞優秀作であり、十七歳の描いた作品。とても若年者の作品とは思えない筆力。姉への強過ぎる思慕を抱える「私」の語る表題作と、親友である高見が失踪し彼を回想する「私」の「睡郷に帰す君に」の二篇。ぼんやりとした不安と生の希薄さに、湯槽に浸かるシーンは覚えがあった。自身の脈と鼓動で生を確かめ、骨と内臓以外を脱ぎ棄てたいと願いながら飢餓を恐れて肉体の奴隷となる感覚。共に睡眠薬を過剰摂取し、自らの意思で沼に沈んだ少女を思う高見。この感覚を、知っている。忘れようとして忘れかけた死への憧憬が、ここにはあった。2016/01/25
修羅の国のアリス
2
いつかまた睡郷でお会いしましょう2008/12/07
なめこ
0
友人に教えられて読みました。猫とか蛙とかセイウチとか登場して思い描くとなんだかほのぼのしてしまうけど時折ぞわっとする描写が。薄暗くてなかなか良かったです。死ぬ、を睡郷に帰す、と仄めかすところが好きだし、そういうセンスが好きな人は好きなんじゃないかな。たぶん。2016/06/11
ハミーネス
0
琴線に全く触れないまま読了。残念。2015/09/22
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- 和書
- 水のはなし 〈1〉