角川文庫<br> 裸の王様/流亡記

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角川文庫
裸の王様/流亡記

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  • サイズ 文庫判/ページ数 258p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784041242018
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

嫁宮 悠

2
短篇四篇を収録。濃密で読み応えがある筋肉質な文章は、読書の醍醐味を十分に味わわせてくれる。現代の寓話といった作品たちからは、反骨精神や自由への意志といったものが感じられるが、全体を通して見れば、剥き出しにされた人間の姿、生命の本質的な力強さといったものを写実的に描いている。書きすぎている感はしないでもないが、この本に限って言えば、描かれているのは「人間」であり、魂や心といったものではないので、情緒的な曖昧さよりも、技巧的な精確さが要求されるのだろう。2017/12/01

ヨリ

1
裸の王様の意味はここにあったのかー。そのままアンデルセンなんだけど、でもそうではなくて!文章の流れがとても好きな作品でした。2014/12/14

sasuke

1
 この小説の舞台は秦の始皇帝の時代。万里の長城を建設するためにかり出された男が主人公の短編。長城を建設しても守りきれるはずはなく、縦横無尽に走り回る匈奴。かり出された人々にとって万里の長城建設は、なんのためか、どこをめざしているかわからない徒労にすぎない。そこから免れるため、主人公は匈奴のいる砂漠に入っていく。そして「私たちの時代はもう久しく新鮮な上昇力に接していないのだ」ということばが心に響く。一匹狼のように生きていきたい。男の子の夢がここにある。男の子って、たいへんだな。2003/05/18

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