出版社内容情報
生態系破壊や,国家的統合と民族的運動の衝突などの深刻な状況に直面している世界史の「現在」は,人間存在の在り方とその意味を激変させ,認識の組み替えを迫っている.109のテーマを選んで歴史的に考察する.
内容説明
自然の一部である人間の生存が自然=環境にどのように制約されてきたか、人間の自然への働きかけがどのような観念の下に成立し、自然がどのような変化を惹き起こしてきたか等を考究する。
目次
1 生存の条件(17‐18世紀ヨーロッパの人口変動;14世紀エジプト社会と異常気象・飢饉・疫病・人口激減;南アジアの人口と過剰開発)
2 環境としての自然とその領有(ヨーロッパ中世における自然の領有;唐代江南の自然環境と開発;遊牧民にとっての自然の領有;中国近世における自然の領有)
3 自然観(ヨーロッパの自然観・身体観;アラブの疾病観;海のコスモロジー)