出版社内容情報
明治大正期における浅草の路上生活者の実態を克明に記録した「乞食裏譚」の復刻版。乞食・娼婦の悲惨さを語るがその眼差しは温かい。多数の写真イラストはそのまま貴重な歴史史料となっている。
自序/目次/第一章 乞食の変遷と階級/第二章 ケンタの生活内幕/第三章 ツブの生活態様/第四章 ヅケとダイガラの生活態様/第五章 シロイの変態生活/第六章 タカリの変態生活/第七章 乞食タカモノの生活態様/第八章 準乞食と特別タカモノ/第九章 昔の乞食と今の乞食/第十章 乞食売笑婦の変遷/第十一章 乞食売春婦の生活/第十二章 乞食売春婦の態様/第十三章 浅草の不良少年少女/第十四章 支那の変態乞食/第十五章 大阪に於ける変態乞食/第十六章 各地に於ける変態乞食/第十七章 乞食の歓楽方法/附録[佐藤紅霞編]/「乞食」への哀感―『近代日本の乞食―乞食裏譚―』を一読して[塩見鮮一郎]
目次
乞食の変遷と階級
ケンタの生活内幕
ツブの生活態様
ヅケとダイガラの生活態様
シロイの変態生活
タカリの変態生活
乞食タカモノの生活態様
準乞食と特別タカモノ
昔の乞食と今の乞食
乞食売笑婦の変遷〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
gtn
16
昭和四年初版の復刊。浅草の乞食を取り締まっているオークマ親分。その傘下の「ケンタ」と呼ばれる乞食たちが、親分が定めた憲法の下、秩序立って生きる。そのケンタの中にも階層があり、小舎を持たない者はベンチや芥箱、墓地、共同便所で昼夜を凌ぐ。更に、最下層に「シロイ」がおり、著者は「素馬鹿とか、狂人とか、文久銭とか乃至は五厘と言った処の生はんぱな人間」と説明する。どこまで行ってもヒエラルキーがある。人間、しがらみから逃れようと思っても逃れられない。2020/04/14
ぞだぐぁ
1
太平洋戦争以前に書かれた乞食、特に浅草の者を中心に書かれた本を復刻した本。印刷した本をスキャンした物を使っているのか、やや文字が荒いが名著。当時の乞食の階級やルール、著名な乞食についても書かれている。2018/09/03