内容説明
母親によって思春期になるまで、幼年時代に釘づけにされたデルヴォー その少年時代の抑圧された欲望と恐怖が、画家を孤独な夢想家に変えた。機関車、ガス灯、ギリシャ風の神殿、人形のように無表情な裸の女たち…夢の断片のような、凍結したエロティシズムの世界が繰り広げられる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あたびー
23
昔からとても好きなのに、画集を1つも持っていなかった。また、登場人物の服装が19世紀末の風俗なので、もっと昔の人かと思っていた。巴旦杏型の大きな瞳を持つ金髪の女性達は、全裸か、半裸でいることが多く、半裸の女性は成程シレーネ(人魚)のようだ。1番好きな「人魚の村」と言う絵では、戸口毎に座る女性達はハイネックの地味なドレスを着ているが、遥か向こうの浜辺では人魚達がわいわいと沖に向かって手を差し伸べている。戸口の女性のドレスの中は?電車と女性。古代都市。大人ではない少年。階段。ヴェルヌ作品のおじさん。2021/05/03
Glitter
2
古代建築と中世、近世の服装、現代的な汽車も登場する。 パースが歪んでいることが逆に不思議な空間を生み出す要素になっている。 建築へのこだわりが随所に伺われ、人物よりもそちらの意匠が目を引いた。2018/08/28
-
- 和書
- 新しい数学 岩波新書