目次
第1章 重苦しい開幕
第2章 誰に国民を戦争に引き込む権限があるのか
第3章 宣戦布告なき戦争の歴史
第4章 超大国の戦争権限
第5章 決議案準備―開戦か、制裁か
第6章 論戦始まる―「ここにいるのはアメリカ人だ」
第7章 投票、そして祈り
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
茶幸才斎
2
91年の湾岸戦争開戦前夜。大統領を軍の最高司令官とする一方、議会に宣戦布告権を与えることで、戦争権限の分散が図られているアメリカ合衆国憲法下で、上下院議会の議員たちが、自らの責任にどう向き合い、どのような論戦と手続きを経て、大統領による対イラク武力行使承認決議という重大な議案の是非を決断したのか、その10日間の議会の動きを追った本。政治や議会制度の重さについて考えさせられる。この94年の著作の後書きで筆者は云う。「日本の議会にも、いつの日か底力を見せてほしいと思う。」(p.230)今がその時ではないのか。2012/06/07
MORITA
1
1991年の湾岸戦争前夜。決断を迫られたアメリカ議会の10日間と、戦争権限をめぐる議会と大統領のせめぎあいの歴史の物語。振り返ればベストではなかった点はあっただろうが、ひとりひとりの議員が「良心と判断」の説明をしようと努めたという姿勢が羨ましい。このような議員が多数存在することがアメリカの力の源泉だと思う。日本が同じような判断を迫られた時、任に堪え得る国会議員はどれ程いるのだろうか。2017/03/23