内容説明
秘密のメンコ・ビー玉のような子ども時代の宝物から、少年期の夢精・自慰のような親にも隠す心や性へと、人間は誰でも発達段階の初期から、他人に対して秘密をいだき始める。自他のあいだに境界線をひく力。自他をグループにくくる力。人間関係を分節し、さまざまな精神病理現象を発現する裏には秘密がある。自己に仮面をつける人みしり、対人恐怖、恥、排除としてのいじめなど、人間形成の原初の場を精神分析する。
目次
第1章 自と他を分ける秘密
第2章 自己感覚としての秘密
第3章 見知られる不安
第4章 秘密への羨望と憶測
第5章 秘密を漏らす
第6章 秘密を暴く
第7章 原光景社会の心理構造
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
頭飴
1
秘密×心理作用。秘密を持つことによる人の心理作用や心理構造について述べた新書。 実例を出しながら解説しており、分かりやすく読めた。ただ終章の原光景体験のくだりは理解を深められなかった。 秘密を持つことによる他者との境界作用、成長していく上での自己形成への関わりなど、知らなかったことの理解が深められた。 80年代の本ではあるが、日本人の集団意識、職場や学校での内輪の人脈や内輪の世界を持つこと、居場所を持つことにより、社会生活に適応していることの説明は今の時代でも通じる内容であるなと共感した。2023/05/01
ノンタス
1
内と外。表と裏の境界線。人の秘密の形成過程やその種類を論う。 秘密を告白することで相手との一体感を得、隠すことで守ろうとする私的な空間がある。 日本人の特性というか、本音を打ち明けなくてもなぜか隠し事や秘密が通じてしまうコミュニケーションの形態についても解説される。2019/01/04
寺内町亭小天狗
1
秘密は、誰でも一つや二つあるものです。その秘密は墓場まで持っていくモノもあれば、いつか暴露してしまうモノもある。”個人の秘密はプライバシーであるから、その人のプライバシーを尊重することが基本的な人権の尊重である”と著者は述べています。私が27歳になって、この本に触れた。この頃から、他者の生活等を根掘り葉掘り訊くことはしなくなった。知ったところで、いったい自分に何の得になるのだろうか、と。興味本位で、人のプライバシーを訊くものではない。聞き上手のほうが、今では私に合っているを感じる今日この頃です。
poke
1
イメージしやすいストーリーが提示してあるので読みやすいが、結局なにが言いたいかがわからないまま次の話題に入るので、何一つ記憶に残らなかった。2012/04/25
rumichang
0
読みやすいしえぐってくるのでおすすめです。2014/04/18
-
- 和書
- 音響用語辞典 (新版)