講談社現代新書<br> 近代の潮流

講談社現代新書
近代の潮流

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 新書判/ページ数 201p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784061158290
  • NDC分類 210.6
  • Cコード C0221

出版社内容情報

【内容紹介】
維新とともに開かれた新生日本の前途には、さまざまな難問が山積していた。文明開化の急テンポの歩みは、はなばなしい発展の影に、《遅れてきた国家》の苦悩を露呈していった。列強諸国との角逐は、国家の名のもとに資本主義の急成長を促し、戦争から戦争への綱わたりを余儀なくさせた。本書は、日本近代化の特殊性を掘りさげ、独走する権力に抵抗をつづけた民衆の栄光と悲惨を軸に、明治から大正への多難な歩みをまざまざと描きだした。

「大日本帝国」のまぼろし――新しい日本は、外圧にさらされて登場しただけでなく、アジアでおくれて近代化しようとした数少ない国家だった。国内変革は通説以上に、かなり徹底しておこなわれようとはしたが、日本の国力の自前だけで、欧米列強に対抗することはできなかった。明治・大正・昭和の歴代の政府は、この矛盾をたえまない対外侵略と戦争とによって切りぬけようとしたのである。政府はこの戦争から戦争への綱わたり、戦争の自転車操業のあいだに軍部と官僚制を肥大化させ、国民とアジア民衆を抑圧しつつ、世界の「一等国」へのコースをひた走りに走っていったのだった。もちろん日本国民は、この一連の戦争に意識的、無意識的に抵抗はし続けたが、同時に、すくなからぬ部分が勝利の幻影に酔い、「大日本帝国」のまぼろしに加担したことも避けてとおることはできない。ここに近代化に成功した日本民衆の栄光と悲惨がある。――本書より

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

うえ

7
佐賀「江藤の反乱は士族の不満を代表するというより、むしろ、大久保の独裁に対する個人的不平がつみかさなって爆発したものだった。前司法卿・江藤の法治主義は、ある意味で大久保より近代的だった…蜂起の理由である征韓論よりも、大久保排除が目的だった」鹿児島「三万人の青年が完全武装して西郷に従った…大久保の意図はあたったのである。彼は旧友・西郷の蜂起を、こちらから攻撃するのでは「言訳モ相立」たないが、向こうから事をおこしてくれたのは、「誠ニ朝廷不幸ノ幸ト、密ニ心中ニ笑ヲ生候位ニ之アリ候」と伊藤博文に書き送った」2018/02/19

羊男

1
★★★1981/06/15

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/1023301
  • ご注意事項