出版社内容情報
明治人の叛骨,明治の国家精神とは何か――福沢諭吉,中江兆民,徳富蘇峰,内村鑑三ら知識人の思想を時代状況とのかかわりで解明し,現代の国家・社会の直面する課題を考察する鍵を提供しようとする近代日本思想史入門.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ジュンジュン
10
思想は”状況”が生み出したもの。明治の代は、そんな状況が目白押し、自由民権運動、憲法発布、議会開設、日清日露戦争等。担い手も福沢諭吉から民権家、クリスチャン、さらに国粋主義や社会主義まで多士済々。新時代にふさわしく、どの思想も柔らかく包容力があった。しかし、日露戦後、国家目標が達成されたとき、活力も失われ、明治の代も終わった。2021/12/04
denz
2
岩波で復刊したらしいが、旧版を再読。明治期の主要な思想家の要点を手堅くまとめている。本書で見取り図を頭に収めてから原典にあたり、本書とは異なる視点を獲得する手助けとなるだろう。2012/06/27