出版社内容情報
社会心理学者でエイズ問題に取り組む著者が，冗談では済まされないニセ科学の大罪を暴き，否認主義者たちの心理を分析する。
内容説明
「ＨＩＶはエイズの原因ではない。米国政府と製薬企業が陰謀をはかっている」。ＨＩＶ／エイズ否認主義者の奇妙な主張が、アフリカ諸国のエイズ禍を引きおこした。疑似科学と陰謀説の実態を明らかにし、否認主義に陥る心理を分析する。
目次
第１章 生き延びるＨＩＶ／エイズ否認主義
第２章 デューズバーグとＨＩＶ／エイズ否認主義の起源
第３章 エイズ疑似科学
第４章 否認主義者のジャーナリズムと陰謀説
第５章 否認主義の政治
第６章 否認から抜け出す
著者等紹介
カリッチマン，セス・Ｃ．［カリッチマン，セスＣ．］［Ｋａｌｉｃｈｍａｎ，Ｓｅｔｈ Ｃ．］
臨床・コミュニティ心理学者で、コネティカット大学の社会心理学教授。ジョージア州アトランタと南アフリカ共和国のケープタウンで進められている「南東ＨＩＶ／エイズ研究・評価プロジェクト」のリーダーでもある。２０年近くにわたってＨＩＶ感染の予防と、エイズがもたらす精神的・肉体的被害の軽減に取り組んできた。研究は国立衛生研究所（ＮＩＨ）に全面的に支援されており、いくつもの米国内および国際的なエイズ予防会議のメンバーとして活躍している
野中香方子［ノナカキョウコ］
翻訳家。お茶の水女子大学文教育学部卒業（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Koning
15
HIV否認論者でどれだけ人が殺されてるかというストレートな訴え。しかし、冒頭から製薬会社とかの紐付きじゃない説明をしなきゃならんとか、陰謀脳に余計なちょっかいだされないようにって苦労が至る所に見えてやっぱ大変ねと。それと、そんな否定論者なんて大したことないだろ？って一般的な印象って確かにあるし、それによってこいつらのやらかしたことでどんだけ人が死んでるか？ってのが分からん人たちが多いのも確かにという感じ。日本でもついこないだの美味しんぼの懲りない風評加害者のやらかしたアレに、（続く2014/05/05
takao
4
☆HIVはエイズの原因ではなく、米国政府と製薬企業の陰謀とする否認主義者の主張を受け入れたアフリカ諸国でエイズ禍が引き起こされた。2022/11/01
春風
4
エイズ陰謀論の本。内容は面白いんだけど、同じような繰り返しが多くて読みづらい。カール・セーガンの元妻の生物学者リン・マーギュリスが、エイズ否認主義と911陰謀論を支持しているというのがいちばん衝撃的。2011/10/11
メルセ・ひすい
3
15-01赤14-85「エイズ否認主義者」とは??ｱﾌﾘｶ･ムベキﾀﾞｲﾄｳﾘｮｳ260万人のエイズ死の元凶者！★「HIVはエイズの原因ではない､米国政府と製薬企業が陰謀を企てている！」｡年間３３万人のエイズ死、妊婦の２９％がＨＩＶ感染…。ＨＩＶ／エイズ否認主義者の奇妙な主張が、アフリカ諸国のエイズ禍を引きおこした。擬似科学と陰謀説の実態を明らかにし、否認主義に陥る心理を分析する。2011/04/20
tama_lion
2
逆張りやスタンドプレー好きな変わり者の研究者が専門外のことに口出しし、話題性重視のジャーナリストや金の匂いを嗅ぎつけた人たちがそれに乗っかり、だいぶ遅れて政治家がお墨付きを与え被害を取り返しのつかない規模にするというお決まりのパターン。すでに事実としてそれに基づく研究が山ほど積み重なってることを「異論がある、すべての可能性を...」と蒸し返し続けるのも否定論の一種で進化や温暖化やタバコー肺癌なんかと共通。示唆に富むケーススタディです。2013/12/18
