内容説明
本書は、非線形有限要素法による構造解析を行うに当って必要となる連続体力学の基礎を、種々のテンソルの解釈と詳細な式の誘導を示しつつまとめたものである。また、本文中には164問の例題と解答を挿入することにより、初学者が挫折することなくテンソルの概念と操作を習得し、自然と連続体力学へと入ってゆけるように工夫してある。
目次
1 テンソル(テンソルの概念;ベクトル ほか)
2 変形(連続体の運動の記述;物質時間導関数と空間時間導関数 ほか)
3 歪、歪速度(Green‐Lagrange歪テンソルおよびAlmansi歪テンソル;変形速度テンソル、スピンテンソル)
4 応力、応力速度(質量保存の原理;運動量保存の原理 ほか)
5 構成式(構成式に関する原理;基準枠の概念と物質客観性の原理 ほか)
6 境界値問題と変分原理(平衡方程式の各種表示;境界値問題 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
葉
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基礎なのに最後の方はついていけなかった。ベクトルからベクトルへの線形変換をテンソルと一般的に定義し、テンソルの不変性や正定値テンソル、テンソル関数、硬化係数などについて図は少なくも式による展開を中心に書かれている。物理の色が濃くなったところから見る作業になってしまったのでテンソルに関してはまだまだ理解できていないことが多い。2014/06/17
のひろ
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「非線形有限要素法の基礎と応用」の第1章を詳述したものです.流体と構造を対象に,有限要素法の定式化に必要な知識を説明しています.長所は,非線形ひずみや非線形構成則,回転や物質客観性といった,本分野における幅広い範囲の基礎を取り扱っている点です.半面,有限要素法やそのコード実装において,本書の内容のどこがどこに対応するのかが分かりにくいです.また,6.5節以降は前述の「非線形~」の方に詳しい説明があり,蛇足だと思いました.私は,分からない点は「そういうものだ」と一旦納得し,必要に応じて再読しています.2014/04/25