講談社現代新書
認知症と長寿社会―笑顔のままで

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  • サイズ 新書判/ページ数 263p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784062880794
  • NDC分類 369.26
  • Cコード C0236

出版社内容情報

本書は、信濃毎日新聞連載のルポルタージュ「笑顔のままで 認知症―長寿社会」(2010年1月3日?6月29日)を書籍化したものです。長野県内を中心に、認知症の本人や介護する家族、介護施設の受け入れ、医療と研究の現場、高齢者を包み込む地域の取り組みなどの現状を77回にわたって報道し、連載中から大反響を呼びました。
新聞協会賞(編集部門)はじめ、JCJ(日本ジャーナリスト会議)賞、ファイザー医学記事賞大賞、日本認知症ケア学会・読売認知症ケア賞特別賞を受賞、「実名報道に徹した取材手法と平易な文章で紹介した連載は、認知症に対する価値観を転換させ、読者に共感と勇気を与えた」(新聞協会賞選評)と高く評価されました。


<著者からのメッセージ(本書「プロローグ」より)>
私たちも、この病気をどこまで理解しているのだろうか。認知症であっても、喜びも悲しみも、安心も不安も、つながりも孤独も感じているという。
直前の記憶が分からなくなっていく不安は、迷子のような心細さかもしれない。いら立ちは、不自由を強いられ、自尊心が傷つき、怒りのやり場がないためかもしれない。周囲との摩擦を避けようと、感情を心の底に沈めているのかもしれない。それなのに、私たちは冷たい視線を向けてはいないだろうか。
国の推計だと、患者数は200万人を超え、30年後には385万人に達すると予測されている。それは日本人の3人に1人が高齢者で、その9人に1人が認知症という時代だ。
患者や家族をどう支えていくか。いま真剣に考えなければ、この長寿大国で、命の尊厳を失わずに最期まで生きることはかなわなくなる。




第1部 無数の点滅――介護する家族たち
第2部 居場所探して――家で、施設で
第3部 ベッドは重く――精神科の病棟から
第4部 白衣の苦闘――研究と臨床の現場から
第5部 包み込むまちへ――高齢化する地域
第6部 挑戦の現場から――「認知症と向き合う社会」への道
第7部 「老い」から逃げない――笑顔のままで


信濃毎日新聞取材班[シナノマイニチシンブンシュザイハン]
著・文・その他

内容説明

介護する家族、自宅介護と施設の受け入れ、研究と臨床の最前線、高齢者を包み込むまちづくり―「認知症と社会」の問題を克明に取材。新聞協会賞(編集部門)、JCJ(日本ジャーナリスト会議)賞、ファイザー医学記事賞大賞、日本認知症ケア学会・読売認知症ケア賞特別賞受賞。

目次

第1部 無数の点滅―介護する家族たち
第2部 居場所探して―家で、施設で
第3部 ベッドは重く―精神科の病棟から
第4部 白衣の苦闘―研究と臨床の現場から
第5部 包み込むまちへ―高齢化する地域
第6部 挑戦の現場から―「認知症と向き合う社会」への道
第7部 「老い」から逃げない―笑顔のままで

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

大阪魂

39
長野県の新聞で連載してた認知症ルポをまとめはった本!認知症で苦労しまくってはる事例が続いて、ほんま大変すぎやん💦この問題どないしたらええねんって…まわりも支えてる人もそして本人もつらいもんね…そんななかでちょっとでも明るい解決事例もふれてはって、本人にできるだけ寄り添うのが、地域ぐるみで理解してつかず離れずってゆーのがええんかもっておもた…そのためにも支える人を支える制度と地域の理解とやっぱ薬かなあ…10年以上経ってるのに状況あんまり変わってへん気がするのが怖かったけど、とにかく予防も対策もがんばろ…2022/11/01

James Hayashi

29
長野での高齢化と認知症の併合の現状を地元新聞社がルポとして伝えたもの。人口の3人に1人が高齢者となった今、だれが彼らを支えていくのか?「お一人様」などと呑気な事を言っている場合ではない。高齢になり、独身であり、認知症になり、身分証明を持たず徘徊した場合、誰が本人と確認するのか?誰がシモの世話をしてくれるのか?少ない年金、介護費用はどこから?また安い賃金でありながらハードワーク。疲れ切った介護職員。どうしても未来を悲観的に思ってしまう現状。笑顔のまま未来を迎える?2019/07/12

円舞曲

12
実名報道の勇気に励まされます。変えていかなきゃね。そのために新聞も一緒にこれからも頑張って欲しい!2012/03/28

チェリ

11
「認知症になっても良き時代は失われない」と言うと、姑はそうなの?!と驚いていました。認知症自体は周知されてきましたが、認知症がある人の暮らしぶりはそんなに知られていない気がします。この本は治療サイドではなく、人々の暮らしに視点があります。私はこの本に希望を抱きました。誰かの世話になりながら生きていくのは当たり前、老いを肯定する世の中に変えていくのは私たちの気持ち次第だと思いました。2016/04/12

茶幸才斎

7
信濃毎日新聞はいい仕事したね。国の政策は、高齢化率とか給付費と負担のバランスとか財源とか、高所からしか高齢社会を論じない。やはり直接的に力を発揮できるのは地域包括支援センターや自治体か。本人、家族、介護事業従事者らの声を聴き、本書が細かに指摘するような高齢者を取り巻く実情を把握し、必要な支援を独自に開発・開拓する一方、地域に高齢者を見守る目を育てる。なんか評論家じみた感想で、もどかしい。要は、戦後の日本を築いてきた人たちの人生の最終ステージに、後から来た我々はどんな敬意と謝意で報いられるか、なんだと思う。2011/02/09

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