朝日文庫<br> 若者を見殺しにする国

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朝日文庫
若者を見殺しにする国

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  • サイズ 文庫判/ページ数 382p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784022646064
  • NDC分類 304
  • Cコード C0195

内容説明

過剰な若者バッシングへの不満。年収130万円で生活する不安。「自己責任」の一言で思考を停止させ、さまざまな格差を固定化する社会への違和感。執筆時31歳だった著者が、フリーターの立場から「無縁社会化」など2010年代の日本の論点を看破した評論集。

目次

第1章 強大な敵としての俗流若者論
第2章 私は主夫になりたい
第3章 「『丸山眞男』をひっぱたきたい」ができるまで
第4章 私が戦争を希望する理由
第5章 どうすれば貧困層を救か出せるのか
第6章 「思いやりのある社会」への希望

著者等紹介

赤木智弘[アカギトモヒロ]
1975年栃木県生まれ。フリーライター。2007年に月刊誌「論座」に発表した「『丸山眞男』をひっぱたきたい―31歳、フリーター。希望は戦争。」で注目を集める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kthyk

15
この本は「ポストモダン ニヒリズム」で知った。「口先だけの左派よりは(愛国者)でありさえすれば(仲間)として承認してくれる右派の論理の方が魅力的に見える。」。とフリーターである著者は書いている。「バブル崩壊以降に社会に出ざるを得なかった私たち世代の多くは・・・。一方、経済成長著しい時代に生きた世代の多くは、我々にバブルの後始末を押し付け、これからもぬくぬくと生きていくのだろう。なるほど、これが(平和な社会)か」。著者は「丸山真男」をひっぱたきたい、希望は戦争。とネットに書き、いまは鋭く論座にも書いている。2023/03/01

サイバーパンツ

15
職も金もない、革命だって起こせない、そんな現状に満足なんてしていられるはずがない。平等に貧しくなろうなんて言うやつもいるが、人間そこまで強くない。ならいっそドカンと一発、戦争でも起きて、全てがフラットになったところから再出発するしかないのではないか。そう著者は言うが、彼だって本心で戦争を、人がたくさん死ぬことを望んでいるわけではない。できれば、破壊がなくともやり直せる、そんな人間の知性を信じたい。だが、著者は希望は戦争なんて言わなくてはならないほどに追い詰められているのだ……。2017/04/06

ミッキー・ダック

13
衝撃的な本だった。それはこのような本を書ける知性がフリーターであること、また若者が自殺を考えるほどに困窮しており戦争で死ぬ方がまだましだと考えているという事実に対してである。著者は、「論座」2007年1月号に「『丸山真男』をひっぱたきたい―三十一歳フリーター。希望は、戦争。」という論考を発表し、論壇を揺るがせた。この本には、その文章とそれを批判した著名な知識人たちへの反論が載っている。フルに働いても生活保護受給者より貧しいワーキングプアの問題を、放置し続ける日本社会はやはりおかしいのではと考えさせられた。2013/04/06

たんたん麺

12
「31歳、フリーター。希望は戦争。」すげえ本です!他人を恨みながら生きるしかない人間を、社会のなかに組み入れるためには、どうすればいいのか。まずは、社会の内部にいる人間の、ほんのわずかな「親切心」や「思いやり」といったもの。それこそが必要なのではないでしょうか。2014/05/24

メタボン

10
☆☆☆★ バブル崩壊の後「失われた10年」の就職難、若者は何も悪くないのに、その前の世代との格差が生じている、「ロストジェネーレション」。執拗に叫ばれる「金くれ」「仕事くれ」の主張には閉口させられるものの、ある意味フリーターの現実そして真実であり、聞く耳を持たなければならない。経済界特に経団連への敵意もむべなるかな。ではこの状況を打破するためにはどうすればよいのか?この書はひたすら現状を憂えるのみで、指針が示されていないが、この強い閉塞感を根本的に開放するのはやはり難しいのだろう。デフレの傷跡は深い。2014/08/30

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