... 舞台顔がむしろ地顔へと燻染していたものと見えます。広太郎改め友右衛門の戻り籠の禿は、-この人は地顔の眼の小ささがそのまま舞台顔へ乗って、冴えません――切角の廓話しの禿が、何所か多分鬘の操作がわるい為でしょう、後頭部の生えぎわからかけて ...

... 顔――実に無類というのほかはなかった。俳優の舞台顔――わたしは今まで団十郎や菊五郎や左団次や高助や我童や権十郎や、それらを標準として、すべての俳優の舞台顔の善悪を判断していたのであるが、今や土間の一隅から中村芝翫の舞台顔を仰ぎ視たときに ...

権藤芳一. る。この曲の舞台となる御室御所は、仁和寺の北にあった門主の住房で、往古は北院と称し、現在その址に府立聾学校 ... 顔であるが、〈中将〉よりやや若い。〈敦盛〉は観世流独特の面で、十六歳で討死した平敦盛を表現するための面であり、それと ...

... 舞台を観に行くと、いつも何かを吹っ切って出て行くような印象を持ってましたからね。だって舞台上で着替えや化粧をする姿 ... 顔がふたつあるんですよね。だから作家側の顔がこの映画に出てくればいいなと思いましたね。互いにふたつの顔を持つ似た者同士 ...

... 顔ではなくて、それに舞台の上の、姿ではなくて、音に耳を澄ます目をしていた。すこしささくれた床を踏素足の感覚だけがひとすじに続いた。あなたはひと足ごとに、からだまで後ろへ置き去りにして歩くのね、と女友達の声がまた聞えていた。舞台から戻って ...

... 舞台顔がいいとか悪いとかいう。日常生活の素の顔と、観客席からの距離をおいて眺める役者の舞台顔との違いである。(故六代目菊五郎などはたしかに舞台顔の良い人、引立つ人であったし、先々代福助、今の歌右衛門の実父などは故人だが、これは舞台も日常 ...

... 顔がツワッペンに見えたりすることも、最近では少なくなってきたというのに。て。そしてツワッペンを題材にして、一つの舞台を創り上げてしまうなん『君がツワッペンへの恐怖を乗り越えられるように、という願いを込めて、今回の台本を書いた。必ず観に来 ...

... 舞台としての花瓶、とも言える。芝居がはねた後の舞台というのは、なんともいえず寂しい。役者さんたちの熱気も、音も光も大 ... 顔に見えてきたととがあった。それは、睨んでいたり、怒っていたりする顔だった。病気のときの不安が、そういう顔に見せたの ...

... 舞台の顔は平素の顔とは別であれということを云っているので、この「芸」の条件は、古今変らぬと思います。そして訓練に訓練を重ねられた昔の俳優の「顔」には、さすがに世の常ならぬ、そこに「歌舞伎国」の面相を現したものが多かったと、この意味では ...