... 明恵は自分の耳を切って仏に供えるとか、紀伊半島の沖に浮かぶ小島に手紙を書いて弟子に届けさせたという奇行でも知られています。さらに、謡曲「春日龍神」では、明恵上人が仏教修行のためにインドに渡ろうとした ... 明恵が後年 87 鎌倉仏教と神秘家明恵上人.

... 明恵上人は言い切ります。明恵上人は終生、お釈迦さまを父と仰ぎ、みずからを「釈迦の遺子」と称していましたが、上人にはこんな逸話があります。きえ上人に帰依し、上人のおられる高山寺に住んでいた男が、ある日、なずなを摘んで味噌汁をつくり、上人に ...

... 明恵を思いだし、異様な感動を覚えた。それは明恵が鷹嶋で拾ってきた卵型の石に何と似ていることだろう。そういえば、明恵が拾ったもう一つの蘇婆石は見様によれば、インドの到るところにあって人々の拝んでいたリンガを表した石に似ていないこともない ...

明恵上人の歌集一巻は、明恵の弟子高信の編集したもので、岩崎男俘文庫所藏は、高信自筆の原本である。其始の方が缺逸して、尾に高信の三一五明恵の歌は、普く知られてゐたのは、自筆の詠草以外、上に述べた、勅撰集と傅記に載せてあるものみであつた ...

明恵、その人。明恵は平安の終わり近い承安三年(一一七三)、平家の平重國を父として紀伊和歌山の有田郡金屋町に生まれる。幼くして両親に死別して京の高雄山神護寺に入り、 ...

... 明恵上人伝記』は徳川時代には広く読まれたし、現代でも専門学者碩学・明恵の影響(昭和56 ・岩波文庫)ぐらいのものである。こうなると、本誌の読者も明恵上人への基礎的な知識がないと考えねばならず、それを前提とすると、わ奥田勲『明恵遍歴と夢 ...

... 明恵である。明恵は建永元年(一二〇六)後鳥羽院から高山寺を賜り(『夢記』)、また承元二年(一二〇八)には東大寺尊勝院学頭として華厳宗を興隆すべき由院宣を蒙る(『明恵上人集』等)。この頃から都の貴顕に帰依されるようになるが、中でも道家とは深い交流 ...

... 明恵の精いっぱいの思いがこめられている。島はここでは明恵の恋人であり、愛する懐かしい人であった。ここにも島と人間との、いや島と明恵との、時間空間を超えた親しさがある。鷹島も利漢島も、明恵にとってそれは自身と切り離しうるような対象では ...

意識が変われば世界は変わる。何者でもなく生きることの尊さ、『阿留辺幾夜宇和』。人が人としてあるべき形とは。その答えを求めて、人は人生の最後に高山寺・明恵に辿り着 ...