ブランデスは、ツルゲーネフが死んだ年非常に情愛のこもったツルゲーネフの評伝を書いた。その冒頭に「ツルゲーネフはロシアの散文家中最大の芸術家である」と云っている。ブランデスがその評伝を書いた時から今日まで、既に五十一年の歳月を経、しかも一 ...

Ivan Sergeevich Turgenev 375 明治ジャーナリズムのなかのツルゲーネフ 明治二十一年七月「国民之友」に二葉亭訳、ツルゲーネフの「あひびき」が発表されて、大きな反響を呼んで以来、有名無名の雑誌がどこかで毎月のようにツルゲーネフの作品を掲載して ...

ツルゲーネフ/佐々木彰訳. ツルゲーネフの小説の特徴はまず第一に、作品の底流にあるリリシズムである。ブランデスの言葉を借りるならば、「ツルゲーネフの心には憂うつの深く広い流れが流れ」ているということになろう。それを二葉亭四迷は「晩春の相」と ...