内容説明
人口減少社会において都市空間はどう変化していくか。それに対して都市計画はどうあるべきか―フィールドワークでの実践を踏まえて、縮小する都市の“ポジティブな未来”を考察。
目次
第1章 都市は何のためにあるのか
第2章 都市を動かす人口の波
第3章 縮小する都市空間の可能性
第4章 都市をたたむための技術
第5章 都市のたたみかた
第6章 災害復興から学ぶ
第7章 都市をたたむことの先にあるもの
著者等紹介
饗庭伸[アイバシン]
1971年兵庫県生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。博士(工学)。同大学助手等を経て、首都大学東京都市環境科学研究科都市システム科学域、准教授。専門は都市計画・まちづくり(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
メタボン
33
☆☆☆ 都市開発に対して、しっかり腰が据わった視点で書かれている本。かなり硬い内容なので、正直面白いと思って読むことは出来なかったが、少子高齢化、人口減少が進む今後の日本の都市設計のあり方を真剣に考えて行くには、なくてはならない視点だと思う。都市のスポンジ化というたとえ方はなるほどと思った。2017/05/29
宇宙猫
30
★★ 日本は少子化や、過疎化を上手く乗り越えていけるのだろうか。2016/03/14
Tenouji
22
面白い。都市の人口動態から、その在り方を考察した本。ネットワーク上に広がっていた都市は、ネットワークを縮小するように縮んでいくと想像していたが、スポンジのように穴あき状態になっていくんだね。まるで、脳みたいだw。2019/11/24
エリナ松岡
19
論理的であり情緒的と言いますか、都市計画の教科書とも言えますし、エッセイのようでもありました。発想が斬新というか想像力豊かな先生なのかもしれません。都市のスポンジ化の話がメインで、その成り立ちと対処が書かれています。対処の方は、まぁ、決定的なのはないですが、その辺は仕方ないところでしょう。むしろ気になるのは、都市計画レベルの話をするのであれば、スポンジ化の空き家よりも、点在する孤立した高齢者の集落の方が大きい問題のように思うんですが、それはどうすんでしょ?2019/07/16
kaze
15
どのように都市をたたむかという議論の前に語られている、そもそも日本の都市はどのようにして大きくなってきたのかという話が面白かった。人口と不動産と市場経済の関係という視点で考えたことがなかった。人口減少期に都市はスポンジのように縮小していく。単純なコンパクトシティ化ではなく、このスポンジの穴を個々の状況やニーズに応じて、コミュニティの中でうまく活用していくのがポジティブな都市のたたみ方なのかな。2022/11/14