岩波新書
コロニアリズムと文化財―近代日本と朝鮮から考える

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  • サイズ 新書判/ページ数 206p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004313762
  • NDC分類 709
  • Cコード C0221

出版社内容情報

地域や民族の歴史を端的に物語る文化財.それゆえ近代においては,ナショナリズムを高揚させ,統治の正当性を演出する格好の装置として機能した.略奪の歴史を清算し,人類全体の遺産として位置づけなおすことは可能なのか.日本と朝鮮との関係を軸に,世界の動きも紹介しつつ考える.

内容説明

略奪か、合法的取得か―。地域や民族の歴史を端的にものがたる文化財は、近代において、ナショナリズムを高揚させ、統治の優位性を演出する格好の装置として機能した。いま、文化財の所属をめぐり、大きな変化がおきている。人類全体の遺産として位置づけなおすことは可能なのか。日本と朝鮮の場合を軸に、世界の動きも紹介しつつ考える。

目次

第1章 帝国化する日本、そして文化財
第2章 学術調査の名のもとに
第3章 同化政策とつくられた歴史
第4章 文化財は誰に属するのか―講和から日韓交渉へ
第5章 世界で進むコロニアリズムの清算
終章 文化財問題のこれから

著者等紹介

荒井信一[アライシンイチ]
1926年東京に生まれる。1949年東京大学文学部卒業。専攻は西洋史、国際関係史。現在、茨城大学名誉教授、駿河台大学名誉教授。日本の戦争責任資料センター共同代表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ヨシオ・ペンギン

1
文化財は誰のものか?植民地政策の中で本国に持ち去られたものの帰属はどこにあるのか。特に後半は論点の整理として重要。歴史が今に生きているという観点からも文化財という視点は使えると思う。返還問題は未来志向という点からもおもしろい題材である。2019/02/06

たしかにわたしがうえのです。

1
☆3。イデオロギー臭がすごい。5章だけ読めばよし。2012/12/19

Francis

1
日本の植民地支配下の朝鮮で文化財がどのように破壊されたり持ち去られたのか、戦後日本はその原状回復に努力したか、を検証。植民主義の清算の一環として、国際的にも大英博物館のように文化財の返還要求に直面している例が多くなり、マチュピチュ遺跡の出土品のように返還が実現した例も多くなっていることも説明している。最近「王室儀軌」の返還が実現したが、文化財問題における過去の清算もまだまだ不十分だと感じた。2012/09/10

コカブ

0
日本が朝鮮半島から取得した文化財の話。植民地支配には文化財略奪が付き物で、古くは江華島事件の折に文化財略奪があったという。さらに日本が朝鮮半島に進出すると、多くの日本人が遺跡の盗掘・文化財の搬出に乗り出したという。一部は官吏の護衛(公権力の支援)の下に行われた。こういった文化財は、日本の収集家に売却・寄贈された。著者は、これを返還することを提唱する。近年は、エジプトの各国への文化財返還要求、ギリシャの返還要求、ペルーの返還要求などが起こり、エール大学はペルーにマチュピチュの発掘品を返還したという。2014/06/08

shushu

0
朝鮮統治の実態や植民地責任の方に話が向いてしまい、「コロニアリズムと文化財」というタイトルからこちらが期待しているものと若干ずれを感じたのは私だけか。しかし、「植民地責任」って何だろう。誰がどこに向いている責任なのか。2013/11/18

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