里山の自然をまもる

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里山の自然をまもる

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  • サイズ B6判/ページ数 171p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784806723462
  • NDC分類 654
  • Cコード C0045

出版社内容情報

自然保護の重要なキーワードとなっている「里山」を守るために私たちができることとは……。
トトロの森に代表される里山の自然。この日本的な農村風景は、いま急速に失われ、あるいは自然林へと変質しつつある。
「そのままにしておくのが最良の自然保護」という声もあるが、里山の自然に依存して生きている生物が多種あることも忘れてはならない。
この身近な自然「里山」の大切さと、その維持・復元について考える。

【書評再録】
●日本農業新聞評(1993年9月1日)=最近、自然保護のキーワードになっている里山を、多様な生物が共生する自然環境としてとらえ直し、その生態と人間との関わり合いの中で、環境の復元と活性化を図ろうとするもの。
●教育新聞評(1993年6月17日)=具体的なサゼッションも豊富であり、環境教育の一助としても有効な一冊である。
●登山時報評(1997年7月号)=この本は何の気なしに買ってしまいましたが、読んでいくうちにギフチョウやカタクリの生態、私たちの周りにある雑木林の役割がとても分かりやすく書かれていて、途中からは夢中で読んでいました。

【内容紹介】本書「あとがき」より
 素朴でありふれた里山の自然は、実は、とても大切なものであった。私たちは、いま失われてみてはじめてそのことに気づいた。里山は民話の舞台であり、子どもたちの遊び場であり、しかも氷河時代の生物たちの避難場所でもあったのだ。現代の農業にとって不要になったからといって、里山を開発の対象にするのはもったいない。このことを訴えるのが、本書の目的の一つであった。
 保護手法の観点からすると、自然は極相、遷移相、市街地の三種類に大別できるかもしれない。このうち極相は手を加えずに守るべき自然である。これに対して、草原、雑木林などの遷移相は、手を加えなければ守れない自然である。放置して極相にすべしという意見もあるが、遷移相に独特の生物がいることを忘れてはならない。これも本書の主張の一つである。
 旧西ドイツからはじまった都市近郊におけるビオトープ(野生生物の生息空間)保全の考え方は、わが国にも波及し、「生き物と共生する街づくり」が盛んになってきた。もちろん、徹底的に破壊された都市部に自然を復元・再生することに異存はない。ただし、何がなんでもホタルの棲む川をつくるといったように、本来そこになかった自然を「創造」してみても結局は長続きせず、無意味であろう。
 私がもっとも恐れるのは、都市部における自然復元の「工法」が里山の管理に持ち込まれ、むりやり資金を投入して整然とした「里山公園」が造られることである。里山の自然は人為の加わった半自然ではあるが、農民は決して自然を「改造」したのではなく、利用することにより維持してきたのである。多種多様な野生生物が守られてきたのはその結果である。里山の自然を守るにあたっては、改造するのではなく維持するのだというスタンスを保ちたいものだ。自然が分断・孤立した現在、里山は多くの野生生物の避難場所あるいは聖域となっている。オオムラサキやギフチョウは「看板娘」ということにしておいて、里山にはできるだけ多くの生物種を未来に向けて温存したいものである。

【主要目次】
▲▲第1章・里山が危ない
  身近なチョウはなぜ消えたのか/ひそかに進む里山の変質/郷愁を誘う風景/里山の自然を守る/望ましい管理法
▲▲第2章・里山の生態学
  カブトムシの役割/不安定な里山の環境/スプリング・エフェメラルたちを守ってきたもの/ギフチョウは守れるか?/雑木林の多様性を測る/無価値なものの価値
▲▲第3章・低湿地とその植物たち
  低湿地と里山/湿地とはどのようなものか/東海地方の低湿地とその植物たち/周伊勢湾地域の低湿地の成因と保全方法/弥生から続く水田化VS.機械力による開発/種の保護と自然保護/ヒトツバタゴはもう残せない/環境の中でこそ生き物/開発にともなう移植と植え戻し/きれいな自然と本当の自然/“殺種”---生きとし生けるものの価値
▲▲第4章・里山と人との新しい共生
  イギリスの里山でも市民が柴刈り/自然復元の気運と活動/自然の復元と管理/自然保護と里山の保全/これからの里山管理/都市と里山の交流/里山の再評価と復権/里山を育み里山に育まれる/自然を楽しむ里山/自然を育む里山/自然にゆだねる里山
▲▲第5章・市民による里山管理活動
  海外の里山運動/イギリスBTCVによる田園環境の保全活動/イタリア・ノストラによる市民の森づくり/日本の里山管理活動

内容説明

里山を、多様な生き物の共生する自然環境としてとらえ直しその生態と、人間とのかかわりの中で、環境の復元と活性化をはかる。

目次

1 里山が危ない
2 里山の生態学
3 低湿地とその植物たち
4 里山と人との新しい共生
5 市民による里山管理活動