朝日選書<br> 解体ユーゴスラビア

朝日選書
解体ユーゴスラビア

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  • サイズ B6判/ページ数 300p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784022595768
  • NDC分類 302.393
  • Cコード C0336

内容説明

民族主義の悪夢にとりつかれ、昨日までの友が、職場の仲間が、銃火を交じえる。家族引き裂かれ、人々は故郷を捨てた―。分離・独立の始まった1991年、ベオグラードの町角で、学園で、友人の客間で、悲劇のユーゴスラビアの声に耳を傾けた日本人女性の異色の記録。

目次

はじめに 隣人たちの戦争
1 解説―ユーゴスラビア統合、分離、解体…
2 証言―ベオグラード1991年

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

中島直人

7
(図書館)今まで読んだ中で、もっともユーゴスラビアで実際におこったことに近い姿なのではないか。ユーゴスラビアでおこった悲劇の、本当の恐ろしさ、悲惨さが感じられて、やり切れなさが強い。2014/01/21

印度 洋一郎

2
旧ユーゴスラビア崩壊時の1991年、首都ベオグラード在住の詩人である著者が知人や戦火を逃れてきた避難民に聞き書きした証言集。様々な立場な人がいるが、やはり医師や技術者、大学教員のような知識層が話がしやすいらしく、より深い内容を語っている。目立った意見は「民族意識を煽るクロアチア政府とその背後で操るドイツが悪いし、チトーはクロアチア民族主義に甘かった」という事。露骨な民族差別を受けた経験がほとんどいないことに、著者を取り巻く人間関係が伺える。当時も今も余り伝わらなかったセルビア人の意見や視点が理解出来て貴重2020/05/29

イコニカ

1
この本を日本語で読めることに感謝したい。ユーゴ内戦下のベオグラードでの聞き書き。ベオグラードに一度行ったことがあるけれど、のんびりしてるし、セルビア人は親切だった。でも…。最初はゆっくりと、そして段々と生々しく、戦争が始まっていく様がわかる。このようにして戦争が始まるのであると、市井の人々が民族を超えて仲良くしていても分断が進んでいく。戦争は始まる前から、上の方から計画的に進められる。これでは戦争を止めることなどできない。考えさせられる内容。2022/09/18

Koki Kobayashi

1
氏の詩作をテクストにした合唱作品を演奏することになったので読んでみた。教科書では学べないユーゴ内戦勃発後の現地の空気が生々しく伝わってくる。単に事実関係を描いただけでなく、女性や老人、若者など一般市民のインタビューが丁寧におさめられている。戦禍とは私たちの日常の延長線上にいつの間にか立ちはだかり脅かすものかもしれない。悲しみや絶望、混乱を記すこと、それは言葉の、文学の大きな役目だと感じる。2013/05/05

しゅうまい

0
段々と悲惨さが強くなってくるのは、時系列を追っているから。こうも、YesかNoかの二元論だけで作られていく民族意識が見ていてとても辛い。全てが体験談になっているから、なお辛い。原因は何かと読者なりに考えようとしても難しい。作中でも、度々触れられる原因だが色々な見方が出てくる。それこそ、二元論で語られないものが。僕にとっては不透明に感じたが、悲壮さは心で捉えることができた。2019/03/10

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