出版社内容情報
モスクワ特派員の日々は,不確かな情報とのたたかいの連続だ.一九七八年から五年余り,毎日新聞特派員だった著者が,ブレジネフ,アンドロポフ,チェルネンコ三代にわたる権力者交替劇,アフガニスタン侵攻,戒厳令下のポーランド,大韓航空機撃墜事件など,事実を求めて走りまわった取材体験を語る興味あふれるレポート.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
マーキス@ショスタコーヴィチP
1
ブレジネフ~アンドロポフ~チェルネンコ期のソ連に滞在した記者の日記のような新書です。 なかなか当時のソ連を生活レベルで記した本は、なかなかないのではないでしょうか。興味深く読むことができます。 2009/03/11
コカブ
0
著者は、1978年から84年までモスクワで特派員を勤めた。当初はブレジネフが書記長を勤めていたが、著者の在任中に死去して、KGB長官を務めたアンドロポフが書記長に就任した。この時のブレジネフ死去のニュース、そして次の指導者はアンドロポフかチェルネンコかという問題を追った場面は面白い。どうやって茅の外から問題をかぎ付けるのか、特派員の中にもネットワークができている。また、アンドロポフ死去のニュースの時も、これを掴むために右往左往している。現在のロシアではこのような特派員の対応はないだろう。時代を感じる。2013/03/14
丰
0
Y-202005/05/19
美濃ナオ
0
1978~1984までモスクワ特派員だった著者の貴重な記録。 長期政権のブレジネフの死後、アンドロポフ、チェルネンコと目まぐるしく書記長が交代した。 最後の書記長は史上最も若いゴルバチョフ。彼はそれまでの書記長と違っていた。彼はスターリン政権下で手を汚さずに済んだ世代だった。スターリンが粛清を行った時、実際に手を汚した人々・・・その「功績」は称えられ、彼らは出世した。ゴルバチョフの瞳は普通に明るい。彼は人を抹殺せずに済んだのだ。私も今のところ、手を汚さずに済んでいる。私が偉い訳じゃない。運が良いだけだ。2018/11/17