内容説明
憲法は戦後の「平和」を保障し、「人権」の実現を求める人々を支えてきた。安倍政権のもとで改憲の準備が進められているが、今必要なのは、憲法を変えることではなく、憲法を生かすことではないか。「沖縄」や「福島」など、憲法の光が十分に届かず、犠牲を強いられてきた地域も大きく取り上げ、人々の憲法への思いを記者が徹底取材。第19回平和・協同ジャーナリスト基金賞受賞の大反響連載「憲法と、」を単行本化!
目次
第1章 一九五〇年代の攻防(女性と若者立ち上がる;判決に教わった九条;大衆の熱気 経済へ;学者の気骨)
第2章 救われた人生(声失った市議;学資保険一三年の闘い;国籍の違う姉妹;権力に遠慮しない;福祉の村は今―生命の行政)
第3章 沖縄の怒り(日本国憲法を求めて;「本土復帰」後の現実;「沖縄人は虫けらなのか」)
第4章 九条の二一世紀(魔法の言葉;「護憲」消える永田町;経済のグローバル化;ネット世論;未来へのバトン)
第5章 不戦のとりで(特高のキリスト教弾圧;軍国主義教えた国民学校;憲法を書き展示する会)
第6章 福島の希望(福島の詩;戦争;抵抗;故郷)
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬弐仟縁
18
東京新聞は、脱原発としてはまともなメディアだと思う。 生存権(47頁他)を大事に思っている証拠だと思われる。 岩波書店から出したという意味もあるだろう。 民法の父我妻栄(27頁)。 生活保護カット(51頁、大平樹氏)は、憲法に照らしてあってはならない。 小泉元総理が、自衛隊がいるところは非戦闘地域(91頁~)、として、 イラク戦争に加担したのは、違憲。 今でも違憲だと思う。 安倍政権は、弱者を切り捨てる政治(113頁)。 航空自衛隊のイラクでの活動は違憲(118頁)。 2014/03/29
Miki Shimizu
3
改憲できなかったんじゃなくて、みんなで改憲しないということを勝ち取ってきたのかも。やっぱり憲法って、いいこと書いてあるな。変えるなら憲法より民法でしょ。夫婦別姓とか、結婚の年齢とか。自民党の改憲案はひどいよなー。自分らが好き放題できるように、法律変えるとか政治家の仕事をなんやと思ってんのー?!これからの日本をこうしたい!とか100年くらい先のビジョンもなさそうやし。私も何かしないと!って思った一冊。2014/01/05
フム
2
これはとても勉強になりました。憲法をめぐる歴史、改憲を巡る攻防。護憲への思い。そして、第六章 福島の希望 憲法草案要綱をまとめた憲法学者の鈴木安蔵の生家が、原発事故で立ち入りを制限されている南相馬市小高区にあるということは驚きでした。憲法で保障された権利がことごとく奪われることになった故郷を鈴木安蔵はどんな思いで見ているだろうと想像しました。2014/03/18
アルベド
0
原発事故を契機に、憲法をめぐる人々の生き様を追いかける。憲法の制定から生活の保障まで、憲法をめぐる様々な人生を、トピックとしては出尽くしたようなものではあるが、紡いでいく。『「憲法」と、「生きる」』姿を求めて。2015/05/23