内容説明
60年代から今日に至る30年間は、日本が国際金融社会に復帰し、G5の仲間入りを果した時代である。その間、国際通貨と国際金融システムは幾多の変遷と試練に遭遇したが、国際協調を通じて危機を乗り切ってきた。今後、93年のBIS規制実現、金融バブル再発防止、東欧・ソ連への支援、債務累積国問題が控えている。中央銀行マンとしての現場体験を踏まえて、これら国際金融の大きな流れを捉え、日本の課題と責任を考察する。
目次
第1章 国際金融の枠組み
第2章 国際金融舞台への日本の登場―1960‐70年代の国際金融(国際金融社会への復帰;国際金融社会での地位の高まり)
第3章 80年代の国際金融と日本の役割―国際舞台での日本の躍進(80年代前半における日本の役割;80年代後半における日本の役割)
第4章 90年代の国際金融の展望と日本の課題
第5章 国際金融における中央銀行の責任
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
90
元日銀で国債金融一筋にたずさわってきた著者が、1960年代から90年までの現場と今後の課題を書かれています。ですので日本の国際金融がどのように体制などを世界の標準に対して対応していたかを勉強しようという人にはいい本かもしれません。90年代からの課題というのが今でもあまり変わっていないということもわかります。2016/05/13
すーさん
0
著者はかつて一度かばん持ちをさせていただいた元日銀マン。各国の財務省関係者の方と人脈を持ちつつ、出会う人々に丁寧な対応をする姿が印象的だった。国際金融が如何に人脈から維持されているかを知ることができた。 この本は1960年代から90年代までの国際金融の歴史を知るには絶好の書。アジア通貨危機やリーマンショックの前の事実や歴史を知る事は、現在の状況を分析し、これからの変化を展望するには欠かせない作業だ。2016/11/04