内容説明
20世紀初頭、エドワード朝英国に複雑な思惑が交錯していた。国際的つながりを離れ、改姓して英国化を進める王室。沈下する基盤に足をとられつつ、影響力の温存を図る貴族。勃興する産業・金融資本家と結んで支配権を狙うロイド・ジョージ。やがて土地貴族と新興財閥が結びついた単一の支配階級“U”が成立し、マス・インテリが台頭する。―スノッビズムを底流に、貴族支配から大衆社会への転換期のドラマをダイナミックに描く。
目次
第1章 馬車と自動車―エドワード朝のエリートとマス・インテリ
第2章 貴族と大衆政治―チャーチル、ロイド・ジョージに会う
第3章 貴族院の暑い夏―降伏か大量叙爵か
第4章 国王陛下の護衛船団―王家改姓の政治学
第5章 融解する貴族―世紀末貴族の政治社会学
第6章 スキャンダラスな幕引き―政治資金とロイド・ジョージの凋落
むすび それからの貴族政治
関連略年表