感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミカママ
170
ずっと積んでた本、一気読みでした。わかったつもりで読んでた『星の王子さま』の新たな面がいくつか。著者(サン=テグジュペリ)の背景が学べたことも収穫。奥さまとの関係は必ずしも良好、ってわけではなかったみたいです。そして劇的な最期。読み終わって、『星の』を何度目かの再読したくなったことは言うまでもありません。2016/04/06
スイ
8
「星の王子さま」が書かれた時期の背景と先行研究を踏まえての論。 出て来る数字などにこだわるのは必ずしも良いとは限らないと思うけれど、論の根拠なども丁寧に書かれていてわかりやすかった。2017/06/24
SOHSA
7
失敗した。この手の論評はあまり好んでいなかったのだった。他人がその作品をどう解釈するかを読んでしまうことは、手品を見た後で種明かしをされるのと同じくらい興醒めなのだ。作品の読み方に絶対無二はなく恐らく読者の数だけ、あるいは読書の数だけあるから、要はそのときどきにどう読み取るのか、そこに力点を置くべきだった。いたく反省した。2012/12/03
shoko
6
文学研究らしきものに触れたのが初めてだったので、発見も感動も反発もあった。/発見 :戦争(WW2)のメタファー/感動:戦乱の時代のフランスの国家的危機を前に、大人たちの言動を観察しその無責任さや愚かさに憤りを覚えた結果、それをフィクションの物語に託したことで、個別具体的な文脈を離れて普遍的なメッセージを持つようになった。だから、「星の王子さま」は長く読み継がれ、愛される作品になったのではないか。そこにむしろ感動してしまった。/反発:サン=テグジュペリの奥さんに対する態度にイラッとした。2020/11/29
がんぞ
3
「フランスにいて飢えと寒さに苦しんでいる」献辞のレオン・ヴェルトは、ユダヤ人であった。「ゾウも呑み込む」Boaは「大切なものは目に見えない」だけの暗喩だろうか/6つの星めぐりのエピソードもそれぞれに意味がありそう/20億の人間がいるが「詰めあって立てば縦横20マイルの広場におさまる」チャップリン『独裁者』のスピーチにも似た論理/アントワーヌは「自由フランス」ともヴィシー政権とも立場を異にしていてアメリカに来て、ヨーロッパ戦線に飛行士として復帰しようとしていた。王子さまがバラに再会するため彼の星に帰るように2020/08/31