内容説明
大黄河を行き、シルクロードを旅して中国史上、最も輝しい時代を現出した武帝とその“雄才大略”の治世を描く。
目次
1 プロローグ―声なき武帝のメッセージ
2 若き皇帝―抱負と挫析
3 自立した皇帝―父祖を超える大帝国の基盤
4 拡大する版図―大帝国への道
5 大帝国の光と影
6 権力者のほんね
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
韓信
1
タイトルが示すような紀行物ではなく、純然たる漢の武帝の評伝。長安城の発掘成果など、それなりに刊行時の研究成果を取り込んでおり、また、竇太后専制下における上林苑での雌伏の日々や、南方への勢力伸長、楽府の創設、巫蠱の乱から晩年の穏健政策や葬儀まで、他書ではあまり取り上げられない話題にも紙幅を割いていて読み応えがある。茂陵などの景観にも触れており、霍去病墓が祁連山を象っていることは有名だが、衛青墓のモデルが廬山だとは本書で初めて知った。ただ、宣帝を昌邑王とするなど基本的な史実の誤認が多くて全般的には信用できない2015/04/05