講談社現代新書<br> 日本仏教の思想―受容と変容の千五百年史

講談社現代新書
日本仏教の思想―受容と変容の千五百年史

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  • サイズ 新書判/ページ数 230p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784061492547
  • NDC分類 182.1
  • Cコード C0215

内容説明

この世界は「空」か、「真実の姿」か。日本仏教は何を求め、伝来仏教の何を捨てたか。最澄、空海、法然、道元、日蓮ら知のスーパースターたちの思索を辿り、日本仏教の核心に迫る。

目次

プロローグ アニミズムの風土の中へ
第1章 人も自然も仏性をもつ―日本仏教のキーワード
第2章 日本仏教の誕生
第3章 日本仏教史の巨人、最澄と空海
第4章 民衆の中へ―鎌倉仏教という展開
第5章 世俗化する室町仏教
第6章 国民皆仏教徒―江戸幕府の統制
第7章 再び世界の構造を求めて
エピローグ 仏教に何を期待するか

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

to boy

28
大陸を通じて渡来したインド仏教がどのようにして日本のアニミズム、神道と結びついたのかを知りたくて借りた図書館本。そこのところはあまり詳しく書かれていませんでしたが、日本に渡った仏教がどのように変遷してきたのかの歴史が分りやすく書かれていました。日本古来の神道と結びつきながら教義や論理を捨て去り世俗化していくことで、ある意味自殺行為にも似た変容の結果が世界大戦での仏教の無力化なのかと考えさせられた。それにしても仏教の幅の広さを思い知らされた一冊。2018/11/16

モリータ

10
◆自己否定的実践なき「空」「諸法実相」「悉有仏性(本覚思想)」観(あるいはその合一的把握)は単なる現世肯定に堕すこと。最澄・空海の時代と鎌倉の華厳教学よりあと、日本仏教は世界の構造に関する知的洞察(の試み)を措いて人格神への帰依(鎌倉・浄土教)、文学や茶・能などの文化への昇華(室町・禅宗)、国家の管理制度(江戸)へ進み、現実社会の変革に与する力を失った、といったところが大きな流れかな。2019/05/08

櫛部晃季

4
諸法実相。これが常にキーワード。飛鳥奈良時代の仏教伝来から、近現代までの思想的変遷を綴っていく。所どころ難解な部分も有るけれども、大筋では分かり易く丁寧に纏め上げてある。空海、最澄が代表する平安仏教と法然や道元が代表する鎌倉仏教の共通点等とても興味深く読めた。あとがきに明治以降の事柄をもっと多く書きたかったと有るが、それは無くて返って正解ではなかろうか。創価学会に代表される新興宗教まで広めると煩雑になってしまったと思う。時代の変遷の中での仏教の在り様を書くのに、近現代は外せないのも分かるけれども・・・2015/06/11

非実在の構想

2
要点を得ていてわかりやすい2018/09/22

やまぐてぃ

2
六世紀に仏教を受容して、それ以来ずっと日本史とともに有り続けた仏教。そのダイナミックな流れを時代ごとに分けて辿る。聖徳太子、最澄、空海などといった初期の仏教者から、近代の原典研究の担い手に至るまでを、思想という面から考察している。そのぶん哲学的で少し分かりにくいが、誰がどのような思想を持っていたのかが理解できる。2012/10/26

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