出版社内容情報
近代文学史に屹立する志賀直哉.著者は,その珠玉の作品群とその水面下に大きく裾なす日記,草稿,書簡などの中に,作家の内面的葛藤と成熟を読み取っていく.透徹した批評で知られる文学者による本格的な作家・作品論である.上巻は,初期の作品群から「城の崎にて」までを,下巻は「暗夜行路」を中心に志賀文学の本質に迫る.
内容説明
近代文学史に屹立する志賀直哉。著者は、この文章の名手による珠玉の作品群とその水面下に大きく裾なす日記、草稿、書簡などの中に、作家の内面的葛藤と成熟を読み取っていく。本書は透徹した批評で知られる文学者による本格的な作家・作品論である。上巻は、初期の作品群から「城の崎にて」までを取り上げる。
目次
性欲と戒律
自画像作家への道
尾道時代
自己中心次義
大正3年という年
沈黙の時代/生と死を分つ透明な膜
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬弐仟縁
9
自己中心主義(2)。武者小路実篤以前に、自我主義を唱えた論客に高山樗牛がいる(126頁)。樗牛は問題意識が鋭い。著者は、個人をおなじものを外側からよぶ言葉、自我と自己とは内側からよんだ言葉と思っている(138頁)。志賀直哉は、自認していた通り、Detailには自信があったが、Wholeは苦手であった(186頁)。柳宗悦は、志賀直哉に手紙を出している(203頁)。柳にとって、安孫子では加納治五郎との縁故もあったという。柳は『智慧と運命』を愛読した(221頁)。興味が湧いてきたので、機会があれば借りてみたい。2013/08/02
fantamys
0
この本を読んで、やっと自我と自己についてつかめてきた気がする。2015/01/02
丰
0
Y-102000/03/03