出版社内容情報
甘・苦・酸・塩につづく五番目の味がうま味だ。こんぶのグルタミン酸、かつおぶしのイノシン酸、しいたけのグアニル酸はどれも日本人が発見した。赤ちゃんが母乳を好きなわけも、完熟トマトがおいしいわけも、合わせだしがおいしいわけも、うま味のはたらきなのだ。ほかには、どんな食べ物に多く含まれているのだろうか?
内容説明
甘・苦・酸・塩につづく五番目の味がうま味だ。コンブのグルタミン酸、カツオブシのイノシン酸、シイタケのグアニル酸はどれも日本人が発見した。赤ちゃんが母乳を好きなわけも、完熟トマトがおいしいわけも、合わせだしがおいしいわけも、うま味のはたらきなのだ。ほかには、どんな食べものに多く含まれているのだろうか?―。
目次
1 おいしさの要素
2 味を決めているものは?
3 うま味成分の発見
4 うま味の豊富な食品
5 味は栄養物と有害物質を見分けるシグナル
6 うま味が世界で認められた
7 うま味受容体
8 MSGは安全か?
9 世界に広がるうま味と日本食
著者等紹介
栗原堅三[クリハラケンゾウ]
1936年横浜市生まれ。北海道大学名誉教授、青森大学特任教授。東京工業大学博士課程修了。理学博士。東京工業大学助手、シカゴ大学およびフロリダ州立大学博士研究員、北海道大学助教授、教授、学部長、青森大学学長を経て現在にいたる。日本薬学会賞、日本味と匂学会賞などを受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
めんま
17
うま味がどのような経緯で発見され、基本味として認定されたのか、どのような化学的構造を持つかなどを分かりやすくまとめている本。うま味成分の発見は20世紀前半にはなされていたが、基本味として認定されるのは20世紀末から2000年初頭と知り、その不遇な100年近い期間に尽力した研究者たちに脱帽。2021/06/07
pollack
8
基本的に平易に書かれていますので、読みやすいです。基本味は5つの味で、うま味はその1つであり、日本ではお馴染みですが、欧米で容認されるようになったのは1990年代後半とつい最近だったのには驚きです。どうりで最近は欧州の一流シェフが「うま味に関心がある」とか言い始めたり醤油を取り入れたり、うま味の塊である鹿節が作られて注目されたりするわけです。うま味が受け入れられるようになったのは他の味と違う科学的根拠が示されたからによるわけですが、うま味が容認されるまでの貴重なエピソードが味覚の研究者から語られます。2016/01/29
たらこりっぷ
5
タイトルの通り、うま味とは何であるのか改めて知ることができる格好の一冊です。かつおだしやこんぶだし、しいたけだしがなぜおいしいのか、研究し続けた先人たちに頭が下がります。誰に自慢するわけではありませんが、「日本人って、日本人の舌って相当すごいじゃないか」と実感できます。食に対する飽くなき探究心ですね。2012/02/04
phmchb
4
( ..)φメモメモ『味と香りの話』(岩波新書)栗原堅三(1998)/『グルタミン酸の科学』栗原堅三・小野武年・渡辺明治・林 祐造、講談社サイエンティフィック(2000)/『美味の構造』(講談社選書メチエ)山本隆(2001)2020/03/20
五月雨ザバレタ
3
うま味って海外でも通用する言葉らしい。つまり日本発祥ということ。日本人はうまい!ってご飯食べた時に言うから、うま味って聞いてすんなり納得するけど、海外ではそうはいかなかったらしい。日本の昆布とか鰹節とかそう言うものはうま味の宝庫で、昆布だしと鰹出汁は科学的にも相性が抜群。昆布もやはり有名な日高昆布とか利尻昆布とかは、成分を見ても優秀らしい。科学的にどの昆布がうま味が強いかは結論が出ているけど、それはあえて書かないらしい。知りたいような知りたくないような。2018/09/02