岩波新書
証言 沖縄「集団自決」―慶良間諸島で何が起きたか

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  • サイズ 新書判/ページ数 222p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004311140
  • NDC分類 210.75
  • Cコード C0221

内容説明

アジア・太平洋戦争の末期、戦場となった沖縄・慶良間諸島の渡嘉敷、座間味、慶留間の島々で、住民の「集団自決」が起きた。何が約六百名もの人びとを死に追いやったのか。これまで黙して語らなかった人を含む、凄惨な戦争の生存者たちが、歴史を書き換えようという動きに抗って、当時の実相や現在の思いを証言する。

目次

第1章 慶良間戦とは何か―沖縄戦最初の地上戦
第2章 渡嘉敷島の証言―軍命で集合させられて
第3章 座間味島の証言―忠魂碑集合のあとで
第4章 慶留間島の証言―戦場をさまよう人々
第5章 阿嘉島の証言―「集団自決」の寸前
終章 沖縄と本土―何が問われているか

著者等紹介

謝花直美[ジャハナナオミ]
1962年沖縄県生まれ。1990年沖縄タイムス入社。社会部、通信部、学芸部などを経て現在、沖縄タイムス編集委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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とくけんちょ

44
これが戦争、美化する必要はない、このような側面もある。そこから目を逸らすつもりはない。戦時、沖縄は本土決戦前の時間稼ぎに使われた。そして、沖縄密約、今日の辺野古承認せず。表面上は日本でありながら、互いの溝は埋まってない。まるで幼少期に虐待を受けた子とその親の行く末のよう。例えはよくない笑。まずは日本、沖縄にアメリカの基地はいらない。押しつけない。その一言を言うために、自国を自分で守る力がいるんじゃないか。2023/12/25

AICHAN

41
図書館本。沖縄本島の西南部に浮かぶ慶良間諸島は山がちな島々だ。1945年、大本営は沖縄を本土決戦の捨て石にすることを決め、沖縄本島に兵力を集めた。ところが米軍が最初に上陸したのは慶良間諸島だった。そこで凄惨な「集団自決」が起きた。生きて虜囚の辱めを受けるなという軍の強烈な指示、直接的な命令により大勢の民間人がやむなく自決した。その事実を、生き残りの民間人の話を紹介することによって伝える貴重な記録。沖縄タイムスがまとめた。国の「指導」のもと教科書では軍の強制はなかったことにされているが、事実は違うのだ。2019/10/11

skunk_c

40
再読。第1次安倍政権時の教科書検定に端を発した「集団自決」の軍強制否定に対する沖縄の反発を受けて著された聞き書き集。証言を余分な解釈抜きで紹介しており、その凄惨さ、生存者達の苦悩(自ら肉親に手をかけたものもいる)がまっすぐ胸を打つ。皇民教育や「戦陣訓」の恐ろしさ、住民を邪魔者にする軍、これに対し「命どぅ宝」と生存をすすめるおばぁの鋭い直感。多くの人に読まれるべき。何より、軍が貴重な武器である手榴弾を住民に手渡した段階で、自決を促していたことは明らか。そしてその手榴弾の不発の多さに、日本軍の末期が見える。2019/09/29

二人娘の父

15
2008年出版。慶良間諸島に限定した「集団自決」の証言集。沖縄タイムスが当時連載した記事のダイジェスト版。2007年に11万人を集めた県民大会(教科書から自決の強制性を排除する検定に抗議する集会)は沖縄県政の大きな転換点となった。そのことは故・翁長前知事も明言している。これを機に「オール沖縄」がスタートしたと言ってもいい。証言自体は辛いものが多く、なかなか読むのが捗らない面もあったが、戦後60年あたりにこうした証言を集めておけたのは、貴重ではないか。すでに、本書の発行から14年の年月が経っているのだ。2022/01/06

いのふみ

5
日本軍はなぜこんなにも専制的で横暴に振る舞えるのだろう、軍隊はそんなに偉かったのかと訝りながらも怒りがこみ上げるのだが、ともすれば彼らも時代の空気に呑まれてしまったのだろう、とも一方で思った。2017/05/21

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