出版社内容情報
『女工哀史』著者は、力ある小説家でもあった! 本書は、丹後ちりめんの里を舞台とする自伝的小説。幼くして両親を失い、機屋の奉公人として働き始めた少年は、近代化の歯車が高速で回り、労働者たちを呑み込む中を生きる。少年の目に何が映ったのか?(解説=松本満)
内容説明
丹後ちりめんの里と大阪を舞台とする『女工哀史』著者の自伝的小説。両親を失い、機屋の奉公人として働き始めた少年は、近代化の歯車が労働者を呑み込む中を生きる。少年の目に映る故郷の美しくも酷い情景、志の行く末は?『工場』と二部作。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
MICKE
7
これは映画にしてほしい、プロレタリア文学ど真ん中の作品。2019/01/13
紅花
6
徹底的に潰されていく労働者階級。無知と無学が故に、ブルジョア階級に骨の髄まで吸われていく様が、リアルで面白かった。最後の展開が意外。奈落の底に落ちて始めてわくエネルギー。そのぐらい強いエネルギーが無いと社会は変えられないのかも知れない。2020/09/22
100名山
5
続編といわれる「工場」はこれから読むので、本編だけで評価するのは難しいが、ストレートな表現が多く、小説としては今一つ説得力に欠ける気がします。奴隷という言葉が後半の「工場」でどのように定義されるか楽しみです。もし、プロレタリア文学などと言う括りがいまだにあるならば、ここまでは小林多喜二に軍配が上がります。2019/06/05
金平糖
3
B+。2023/02/08
大臣ぐサン
2
細井和喜蔵はもっと評価されてもいいと思う。程度の差こそあれ、労働と資本の原則は根源的に覆ってはいない。時代が移ろうと変わらない現代の病でもある。あなたの職場は大丈夫?2019/02/01