内容説明
“多くの教科書には学ぶ側が一番知りたいことがなぜ書かれていないのか?”そういった不満にこたえるため、思い切った簡略化によって数学的諸概念のイメージを短時間で把握することを可能にした。従来の教科書が一様に取りこぼして来た重要部分を補完する理工系学生必読の参考書である。
目次
第1章 線積分、面積分、全微分
第2章 テイラー展開
第3章 行列式と固有値
第4章 eiπ=-1の直観的イメージ
第5章 ベクトルのrotと電磁気学
第6章 ε‐δ論法と位相空間
第7章 フーリエ級数・フーリエ変換
第8章 複素関数・複素積分
第9章 エントロピーと熱力学
第10章 解析力学
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
YoW
3
本書はそのタイトル通り物理で扱う数学を数式の展開は最小限にしてイメージを描くことに重点を置いている。序文では本書の性格上厳密さや正確さをかなり犠牲にしたとあり、この時点で拒否反応を示す人も居ると思うが大まかなイメージを描く事は必ずしも誤りではない。そのイメージが適用出来なくなる状況を理解しておけば良いだけである。イメージを持つ事で復習にかかる時間も減らせるのでこれから物理をやり直そうとしている人にはオススメできる。但し物理を全くやった事がない人向けの本ではなく教科書が分からなかった人向けの本なことに注意。2021/06/18
hiyamidu
0
良い。全部読んだわけではなく、ところどころ読みました。(まだ学習していない高等範囲があったため。最初らへんの章は高専3年生程度なら理解できると思う)難解な考え方をわかりやすい言葉と解説で書いてくれてあって理系の人間は読んで損はない良書だと思う。特に第四章のオイラー式の直感的イメージが個人的にとても面白く興味深く複素数の図形的意味のところは非常に納得させられた。学年が上がりより高等な範囲を学習するときに再読したいと思う。2014/09/03
ノメ
0
数式の理解に役立つ本だ。2012/07/12
eve
0
大学の数学で学んできたベクトル解析などの直観的なイメージが示されており、なるほどそういうことだったのかと納得できた部分もあった。ただ、しっかりと講義を聞いていれば、教員がちらっと示してくれていたことも多かったため、講義を聞くことが重要だと再認識した。一度講義を受け、ある程度数学を体系的に学んだ者にとっては完全に読み物としても楽しめるかもしれない。2012/06/15