内容説明
見る、読む、書く…映画評論のエッセンス。
目次
イントロ 映画批評のリテラシーとは?
1 映画=世界を究める最重要映画本20(複製技術時代の芸術;エイゼンシュテイン解読 ほか)
2 状況に影響を及ぼした批評家たち(アンドレ・バザン;セルジュ・ダネー ほか)
3 映画批評の書き方11の着想(誰に向けて書くか;ファースト・インプレッションを大切に ほか)
4 「現代映画」理論用語集
著者等紹介
石原陽一郎[イシハラヨウイチロウ]
1962年生まれ。専攻はフランス文学、映画史。ディドロ、ボードレールに源を発するとするゴダールの見解を踏まえたフランスにおける映画批評の包括的な歴史を研究中
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
またの名
9
映画理論を紹介してくれるというコーナーなのに「ポストコロニアリズム的解釈では白人至上主義的な植民地主義を見出すが…(しかし作品はもっと批評的)」「政治的なゲイ・スタディはそこに同性愛的傾向を見出すことに終始するが…(映画はもっと巧妙)」とカルスタ系理論の手口を、ディスりまくり。独系のフランクフルト学派と英語圏の議論も扱うけどメッツやバルトやゴダールにドゥルーズ、蓮實重彦が重点的に記述されてる感じから立ち位置は想像できる。理論の説明だけでなく批評とはそもそも何か心構えみたいなのを説いた後半部は、結構面白い。2020/09/30
oz
6
再読。本書は感想文じみた印象批評から脱却したいと願う人にとってはまさに必読書だと思う。映画批評を書く上でも読む上でも重要になる用語・理論・文献が明快に一冊に要約されている。自身の方向性の指針にもなるし、難解な著作には直接当たる前に大まかな確認もできる。映画批評への向き不向きの試金石にもなる。ただ唯一の欠点は本書をきっかけに読者が映画批評オタクになってしまう危惧への意識が希薄に思える点だ。批評万能主義。言うまでもないがそれでは本末転倒、理論に血肉を与えるのは圧倒的な映画体験のはずです。2009/11/28
nasio
4
バザン・バルト・メッツ・ドゥルーズ・ボードウェルから蓮実さんまで、映画言説に大きな影響を与えた本(論)・批評家を紹介。内容の充実度は複数ライターさんなので上下ありますが、「紹介」としては全体的に良好(それ以上に素晴らしく要約しているものも見受けられます)。ひとまず、(もちろん全網羅ではないけど)エスタブリッシュメントに眺めたい・整理したい時などに。雑誌っぽいので気軽に手に取れますし。後半部「批評の書き方」は十戒みたいなもの。2008/12/23
kino
0
映画というジャンルに限らず示唆を与えてくれる。2012/02/27
tkm66
0
アジア系映画が乗して来た頃。2001/09/30