恋の歌、恋の物語~日本古典を読む楽しみ~(岩波ジュニア新書)
林 望 著
内容
目次
序 章 何が好きって「恋」が好き 「恋」こそは日本文学の伝統/ 『古事記』の国産み神話/ 「恋」の手順は男が先/ 「恋」はわが農耕民族のエネルギー/ 「うたがき」と「かがひ」/ 『好色一代男』に描かれた「大原の雑魚寝」/ 「恋」の暗黙のルール 《 恋 の 歌 》 第1章 『万葉集』は正直だ 『万葉集』の恋の歌/ 額田王と大海人皇子の歌/ 「あかねさす」の歌は、宴席での「戯れ歌」だった/ 袖を振るのは、恋を確実なものにする呪術/ 中臣宅守と狭野茅上娘子の歌/ 昔の「色好み」はよく泣いた/ 男が通うか女が通うか/ 『万葉集』のナンセンス・ソング/ 「挽歌」もまた恋の歌の一変型だった/ 大伴家持の、亡き妻を偲ぶ歌 第2章 『古今和歌集』の情緒纏綿 『古今和歌集』の構成/ 和歌は「恋を歌う装置」だった/ 「正述心緒」と「寄物陳思」/ 和歌は本来、声に出して朗々と歌った/ きぬぎぬの別れ/ 伊勢と敦慶親王の秘められた恋/ 「涙の象徴」としての袖 第3章 『新古今和歌集』のエロス 『新古今和歌集』のうっとりする「エロス」/ 藤原定家の絶唱 《恋の物語》 第4章 『伊勢物語』はなぜ読まれたか 『伊勢物語』は恋の教科書だった/ 『伊勢物語』のパロディ『仁勢物語』/ 西鶴も『伊勢物語』を下敷きにした 第5章 『源氏物語』は奇跡である 『源氏物語』は、恋の文学の最高峰/ 罪深い恋の悩み/ 光源氏のアヴァンチュール/ 右大臣のあきれた態度/ 貴種流離譚の系譜/ 柏木と女三の宮の密会/ 源氏の影と柏木/ 柏木必死のかき口説き/ 柏木の一大決心/ 柏木の目に映った女三の宮は…/ 夢の中の猫の意味するもの/ 柏木と女三の宮の密会の夜が明けて/ 恋の悲しい結末 第6章 『平家物語』の「もののあはれ」 日本語としての美しさ/ 祇王・祇女と佛御前/ 佛御前の健気な覚悟/ 『平家物語』は「あはれ」の物語 あとがきに代えて
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