日経ビジネス人文庫<br> 資本主義は海洋アジアから

日経ビジネス人文庫
資本主義は海洋アジアから

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  • サイズ 文庫判/ページ数 270p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784532196356
  • NDC分類 204
  • Cコード C0133

内容説明

なぜイギリスと日本という辺境の島国が経済大国になれたのか。それは決して偶然ではない。海洋アジアとの競争・脱却という視点で説明できるのだ―。近代資本主義を生み出した知られざるメカニズムを、巨大な視野から大胆に解明するスリリングな歴史書。

目次

起之章 海洋アジアと近代文明(東南アジア―近代文明の母胎;東南アジア―自由貿易の原型 ほか)
承之章 「近代資本主義」批判(経済発展の二つの道―日本とイギリス;大塚久雄批判―紳士の営利活動 武士の経世済民 ほか)
転之章 脱亜して海洋アジアへ(二つの脱亜文明;脱亜文明の歴史 ほか)
結之章 日本文明の来歴と将来(平城京から発想する;奈良時代の後の一三〇〇年 ほか)

著者等紹介

川勝平太[カワカツヘイタ]
静岡県知事。1948年京都生まれ。早稲田大学大学院経済学研究科博士課程修了。オックスフォード大学哲学博士。早稲田大学政治経済学部教授、国際日本文化研究センター教授、静岡文化芸術大学学長を経て、2009年より現職。専門は比較経済史。斬新な「文明の海洋史観」を提唱し、注目を集める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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KAZOO

7
この本は週刊ダイヤモンドに連載されていたものを編集しなおしたりして2分冊となったほうの後半のものです。やはり著者の読んでいるものについては私のフィーリングに会うせいか楽しく読めた本です。大塚史学や丸山真男についての批判など結構面白いものが多く、再度読み直してこの中に紹介している本などを渉猟しようかと思っています。2014/05/14

うえ

4
システム論登場前の経済学。「ウォーラーステイン…彼が1974年に出版した『近代世界システム』は学界に少なからぬ衝撃を与えた。…世界システム論が登場するまでの歴史学界では、ヨーロッパに成立した資本主義についての通説的理解は、イギリスに生まれた資本主義が、イギリスから大陸ヨーロッパ各国、アメリカやカナダ、そしてロシアや日本に波及していく過程だと考えられてきた…「日本の明治維新は、イギリスのブルジョア革命、フランス革命と比べ、市民の発展が未熟であり、封建的遺制を強く残しており、後進的である」といった具合である」2024/04/18

Tetsuya Takaishi

1
歴史・経済・地理の総合的な知識から資本主義やこれからの時代を考える良書。 ボリュームは普通ですが、内容は非常に充実しています。 紙幣が発行されてからの経済の拡大速度は恐ろしいものがあります。 情報も多くなってきた時代に、本当に大事な考え方は何だろうと考えました。 いつでも、幸福を求めて進歩がある。それを扱えるようになってやっと幸福になる。 制度や文化・思想や技術、そういったものが制御できているかどうか。 考え方さえ変えれば、人は何時だって幸せなんじゃないかなと思いつつ。2012/09/03

壱萬弐仟縁

1
静岡県知事の著者による、承之章「近代資本主義批判」は痛快なものがある。大塚久雄は内村鑑三を師匠としていたようだ(89ページ)。デフォーの『ロビンソン・クルーソー』も引き合いに出しながら、古今東西の資本主義像に迫ろうというのは刺激的な方法に思えた。イギリスやバングラデシュまで登場し、日本の資本主義のありようが、山田盛太郎の資本主義分析とはまた違ったアプローチのため、類書にないダイナミズムを感じさせる。ただ、テーマが多岐に及んでいるので、なかなか著者のレベルに迫るには知識が必要であり、評者の弱点は補強したい。2012/07/17

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