日経ビジネス人文庫
世界を創った男チンギス・ハン〈中〉勝つ仕組み

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  • サイズ 文庫判/ページ数 446p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784532196059
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

テムジンはハン(指導者)に推され、チンギス・ハンと名乗る。一方、ジャムカも多数の部族に推されてグル・ハン(総長)になる。二人は政治的にも思想的にも対立を深め、遂に決戦となるがチンギスは敗れた。それでも北辺で徐々に勢力を回復、トオリル・ハンをケレイト族のハンに復位させ、共に宿敵タタルを討ち、小さいながらも絶対権力の独裁体制を確立した。そしてトオリル・ハンと枢軸を組んで、ジャムカ・グル・ハンの編成した連合軍を破り、仇敵タイチウト族やタタル族を殱滅する。

著者等紹介

堺屋太一[サカイヤタイチ]
作家、元経済企画庁長官。1935年大阪府生まれ。60年東京大学経済学部卒業後、通商産業省(現・経済産業省)入省。62年の通商白書で「水平分業論」を展開して注目され、70年には日本万国博覧会を手がけた。78年同省を退官し、作家としての執筆活動を開始。98年7月から2000年12月まで、小渕恵三内閣、森喜朗内閣で経済企画庁長官を務めた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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アイゼナハ@灯れ松明の火

29
『人間(じんかん)に差別なく、地上に境界なし』の世を実現せんとする革命勢力のテムジンと、族長を中心とした封建社会という現在の秩序を守護しようとするジャムカとの争いを色鮮やかに綴った中巻。適材適所の人材登用が可能で、交易とそれに伴う情報(諜報)の価値を重視するテムジンに一日の長があるようですが…互いに負けても負けても死力を尽くして復活してくるところが凄い。テムジンが「公正な独裁者」たり得たのは、この強敵と書いて盟友と読む有能な批判者の存在が大きかったのかもね。両者の争いは未だ決着を見ず。下巻へ続く。2012/06/20

かいりゅ

5
時間や距離の単位の概念がない当時のモンゴルに合わせた表現が多い。例えば、1万回を数える間(3時間)とか、16日間(1000キロ)。また、遊牧民の独特の考え方、農耕民族とは真逆だったり、新しい発見ばかり。歴史小説ではあるが、教科書に絶対書かれないこと。また、チンギス軍団の組織のあり方についても言及。単なる精強な騎馬隊ではなく、軍律、能力主義、当時の封建的な民族貴族主義からの脱却が大きい。 中巻はモンゴル統一の天下分け目の戦い前まで。2023/06/29

カズザク

2
過去の伝統・秩序を捨て去り、新しい考え・仕組を導入しようとすると、過去の権威・権力との衝突が生じる。歴史を振り返って見てみると、何が正解だったのか?は明白なんだけど、その時代の当事者達には解らない事。当時の遊牧民にとって、戦いの目的は敵を倒す事ではなく、戦利品を獲得(掠奪)する事。戦利品…人・物・金は自らの手で奪うもの。支配者と非支配者が、完全に区分けにされた氏族身分性社会。支配者と非支配者の身分・地位の逆転などなかった。これらの当時の常識を覆し、新たな仕組・秩序を作り上げたチンギス軍団。更なる大飛躍へ。2021/08/21

ひづみ

1
間違えて中巻から買ってしまって、上下巻はまだ持ってないけど、これは読みやすくて面白い。チンギスハンの行動を、一々現代企業の何かしらに例えてる意味が最初は分からなかったのだが、版元見て納得した。国を興すのも企業を興すのも、根底は同じことなのかもね2011/10/16

Mark X Japan

0
中巻まで終わりましたが、依然として宿敵ジャムカとは甲乙がつきません。しかし、ジャムカの舌先三寸もそろそろ先が見えてきたかと思います。大帝国の祖なのに、思った程の快進撃はなく、存亡の危機を何度も乗り越えて確実に地力をつけているのが、印象に残ります。危機の克服と(若い)人材の活躍が、飛躍する組織の条件でしょうか。☆:4.02014/08/12

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