アルク新書
いま、なぜビジネス・コミュニケーションか - 国際ビジネス社会で生き残るための必須能力

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  • サイズ 新書判/ページ数 240p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784872349160
  • NDC分類 336.04
  • Cコード C0230

出版社内容情報

アルク新書シリーズ第1弾!

アルク新書(1)

グローバル化が急速に進む現在、日本人ビジネス・パーソンの最重要課題は「会話能力」と「説明能力」。国際ビジネス社会で生き残るためには、「コトバ」のもつ意義を見直すとともに、「個」の確立を推進することが求められている…。
著者の3年間にわたる研究・調査をもとに、日本人のビジネス・コミュニケーション能力の低下について、実例に即して検証し、克服の方向への提言をまとめています。…。

数年前のキーワードであった「国際化」という言葉は、いまでは「グローバル化」(globalisation)という別の言葉に完全に置き換えられている。変化の激しい時代――おそらくは第二次大戦後で変化のスピードもその度合いも最も激しい時代――だからキーワードの交代は早くて当然かもしれないが、この入れ替えがさらに日本企業ととそこで働く人たちにとって「ビジネス・コミュニケーション」の見直しをなおさらに緊急不可避の課題としている時代になっていると痛感している。
――本書より

本のみ 著者:宮智宗七

[目次]

まえがき ……3

第一章 なぜ、それは「緊急の課題」なのか ……11
ひとつの「提言」から ……12
「あなたは説明できるか」/「営業用の会話術」ではない/日本人は能力が劣るのか?
この対話は「コミュニケーション」だろうか ……19
「何ぶんにも日本は特殊なので…」/相手の論理で相手と議論できなくては……
「付き合う相手」が急増している ……24
これまではもっぱら「対先進国」/対アジア・ビジネスで高まる重要度/国内ビジネスにも変化が起こる

第二章 「英語」――なぜ複雑な問題なのか ……33
「グローバル・スタンダードとしての英語」とは? ……34
「必要条件」か、の判断をめぐって/新見豊前守の例もあるではないか!?/自分の体験を振り返ってみる
英語は国際ビジネスに不可欠のツールになった ……41
ファクスが対日反感を生んだ/日本人の英語力は落ち続けている/日本では「グローバル化」と逆相関の現象が発生している
「英語力」を通してみる企業の力 ……52
ある調査から読み取れる企業社会の実像/「現実」がそれを要求し始めている/「言語投資」の重要性が増している

第三章 出発点が「個の確立」には違いないが ……59
日本人に「個人」の意思はないのか ……60
それは日本企業の特性と固く結び付いている/私をためらわせたものがある/「自主的・主体的に自分で考えて」
「個」の欠落は日本人独特のものか ……67
自己主張をしない日本人/「市場のないところコミュニケーションはない」/
「フリー」「フェア」「グローバル」な市場が“それ”を要求する
頻発する企業のスキャンダルも無縁ではない ……75
企業の不祥事には共通する「根」がある/「権限」と「責任」の曖昧な日本企業/風通しの良い企業が勝ちを制する/
経営者が変化しなければ企業は変化しない

第四章 国際化の“神経”に再点検の必要がある ……85
「内向き」の風が強まっている ……86
次第に増える「ほどほど」派/「国際化」の理解が抽象的・観念的ではないか/「ヒト」の問題は逃げられない課題
われわれの「国際化」度を計測してみよう ……94
「国際化」度がアジア六都市で最低水準/「言葉はヒトとヒトをつなぐ手段である」/
「道はヒトが歩いてつくられるものだ」
「日本」がさびれ始めていることに注意! ……102
シンガポールの国民意識に注目しよう/日本市場の縮小をくい止めるためにも/
「日本市場に魅力が乏しい」という声も

第五章 「日本的経営」が欠落させたものは何か ……111
そこに起こっている現象を考える ……112
「先送り」「タテマエ主義」「議論忌避症」……/マルチメディアを使いこなせるか/何のための「電子メール」なのか
経営革新とビジネス・コミュニケーションは無縁ではない ……118
道具だけでは経営革新はできない/「決定の迅速化」が求められる時代なのだ/
「グローバル化」の阻害要因としての“日本的経営”
「非グローバル派」企業人を類型化してみよう ……129
「話すこと」がうまくない/「無内容の能弁」などはないのに……/
「カイシャというシャカイ」は幻想と錯覚にすぎない/視野狭窄現象からの脱出が必要になる

第六章 なぜ「アジア」が難しいか ……141
「アジアだとホッとする」背景を考えよう ……142
「対アジア」感覚の中に何が潜んでいるか/その安心感と安堵感はどこから来るのか/
中国人は母国語だけで国際会議を開ける
アジアの「欧米化」は急速に進んでいる ……153
「アメリカがだめならアジアがあるサ」(?)/大来佐武郎氏のグチを思い出す/
“文明開化”の流れの中の「日本の遅れ」
なぜ、アジアから撤退する企業が多いのか ……162
アメリカならこうしただろうか/撤退の理由を考えてみよう/国内だけで通用するのでは……

第七章 「グローバル・スタンダード」論の視点から考える ……175
なぜ、それが関係あるのか ……176
「日本的経営」の対外適応力がそこに現れている/「グローバル・スタンダード」とは何か/さまざまな反発が発生している
「落ち目の日本経済」の原因を考えよう ……184
市場の条件は劣化し続けている/ビジネス・コミュニケーションは重要なインフラだ/
「日本人の“情報化”はすぐれていない」?
「グローバル・スタンダード」批判への私の論点 ……193
なぜ、このテーマに限って……/「それ」自体が変化し続けている/警戒すべき「日本には日本のやり方が……」論/
意図的であろうと無意識であろうと/だれも強制していないが

第八章 「ビジネス・コミュニケーション」を見直そう ……205
日本経済のサバイバルのために欠かせない ……206
コトバが余りにも粗末に扱われている/言語能力は競争力に直結している/トップが成否のカギを握っている
ビジネス・コミュニケーション改善は個々の企業人の義務だ ……214
ビジネス・コミュニケーションは企業の戦略と固く結び付いている ……234
クリントン大統領のある演説から/ビジネス・コミュニケーションの基盤は経営そのものだ

引用・参照した資料 ……238