感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
にゃん吉
2
デュルケーム、エリアーデ、モースなどが提唱した他分野の概念も検討し、日本以外の地域の宗教、祭り等との差異を意識しつつ、日本の「宴」が分析されています。学術的なところはよくわかりませんが、比較民俗学的なアプローチがなされているようです。80年代の本ですが、当時の本邦の商業的なイベントとか休日について分析する件もあり、それも興味深くありました。 2019/08/24
Yasomi Mori
2
「宴」をめぐる比較民俗学&日本文化論。本書では大きく3つの論点—デュルケムの聖俗二元論、非日常性とリーチの三極面論、モースの贈与論—から「宴」が分析される。/日常(ケ)を維持するのには多大な霊力を要し、そのエネルギーを回復する行事が「ハレ」、逆にエネルギーが枯渇した状態が「ケガレ」。/非日常的世界は、超日常と反日常に区別できるが、現代日本社会ではそのいずれとも異なる“脱日常”の局面が展開している。それは欧州と異なり、宗教そのものが、世俗的価値を正当化する役割を歴史的に演じて来た日本特有の現象である可能性。2015/09/15