筒井康隆全集 〈第13巻〉 おれに関する噂・デマ

筒井康隆全集 〈第13巻〉 おれに関する噂・デマ

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  • サイズ B6判/ページ数 361p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784106444135
  • NDC分類 918.68

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

MICK KICHI

86
コロナ何とかと、ABE暗愚る宰相が巻き起こす狂乱を眺めていて、ふと思い出したのが、筒井先生の「デマ」。フローチャートで事実と証言を繋いでいくだけで、作品になっている。この手法がオリジナルなのかは定かではないですが…。 情報ツールがこれだけ発達していても、パニックが起こる人間を通した伝達の脆弱な本質を突いている。知識不足、転倒、すり替え、思い込み、流れる方向性…こんな要素が絡まりあってデマが生じる。間違った噂、流言の類。ここにはまだ意図的な情報操作は加わっていない…。 何より怖いのは疑心暗鬼である。2020/03/01

きょちょ

16
「おれに関する噂」は面白かったが、他はそうでもない。 特に「村井長庵」など、実に読むに堪えない。 「万延元年のラグビー」も酷いね。滋賀県民は怒り爆発? このような作品を学生時代喜んで読んでいた自分がいたのだろうか? ✖2023/06/29

wasabi

4
『乗越駅の刑罰』が素晴らしい!カフカ+映画『ファニーゲーム』のような圧倒的不条理。日常に潜む得体の知れないものって素敵だよな。「おれはね、あんたが『踏屋』から乗ったとは言わなかった。『踏屋』の近くから乗ったのかもしれんと言ったんだぜ。あんたは右のものを左と言いくるめるのがうまいな。天才的だな。やはりもとから犯罪者の素質があったんだな」「命令ではない。意志を代行してるだけだ。あんたをとっちめてるのは、この鉄道の意志でもあり、この『乗越』という駅の意志でもあり、さらにこの『乗越し町』の意志でもあるわけさ」。2013/02/20

hirayama46

2
長編の収録が無いわりに作品数が少ない、比較的地味とも言えそうな巻ですが、実際、内容は充実しております。実験的な趣向が娯楽性と噛み合っている「註釈の多い年譜」「デマ」「ホルモン」はどれも楽しいです。不条理な残酷性が突き詰められた「乗越駅の刑罰」、悪の限りを尽くす人間をじっくり描いた「村井長庵」、ラストが印象深い児童向け短編「三丁目が戦争です」など。お腹いっぱいな一冊。2015/12/23

渡邊利道

0
スリップ・ストリームな短篇とジュブナイル。そして油がのってる感じのエッセー。売れっ子時代。「乗越駅の刑罰」はやはり傑作。2017/06/05

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