内容説明
富裕な実業家ダヴェンポート夫妻に、念願の男子が生まれた。同じ日、平凡な保険セールスマン、カートライト家にも、双子の男の子が誕生した。そしてその夜悲劇が起きる…。献身的な看護婦の姿を借りた運命の神は、兄弟の間を引き裂いた。かけ離れた環境で育つことになった二人は、やがてそれぞれの夢を追い始める。数奇な生涯を辿る二人に、再会の時はいつ訪れるのか…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のっち♬
74
「しばしば人間の一生を変えるのは、ある時は他人によって下される咄嗟の判断である」—平凡な保険セールスマンの家に生まれた双子は、片方が裕福な実業家の赤ん坊と取り替えられ、互いにかけ離れた環境で育つことに。二人の男の成長を交錯させる構成は『ケインとアベル』を彷彿とさせるが、あれほどの波瀾万丈さや緊張感はなく、淡々と大人になってしまった印象。また、今回は輪をかけて展開がスピーディーで、不必要なまでに場面転換が小刻みだったりと、ストーリーテリングはあまり効果的ではない。親友や宿敵など場を盛り上げる人物配置は流石。2018/08/04
優希
50
2つの家族と引き裂かれた双子。かけ離れた環境の中でそれぞれの夢を追いかける2人。数奇な障害が並行して描かれていますが、再会することはあるのでしょうか。2022/01/25
takao
14
2人の男性が別々の環境で成長してゆく。以前読んだ「ケインとアベル」に似てるかなと思った。 2人が双子だと分かった時どうなるのか?期待しつつ下巻へ…2017/11/19
かよぴー
11
「ケインとアベル」を探してて、著者の本を見つけた。 双子の兄弟が、1人は裕福な家の息子として育てられる。 和訳の本は、最初読みづらく 慣れるのに時間がかかったが、 話の進みが早いので、2人の成長がどんな風になるかと読み進む。 優秀で、良い友達と、素敵な奥さんと、共通点が多い二人、その後の展開が気になる。下巻へと行きます。 2022/05/11
アヤネ
9
2003年英作品。「数奇な運命に弄ばれる双子の兄弟ナット・フレッチャー」の物語。看護婦ニコルと読者である私だけが、2人は双子だということを知っている。2人の成長を見守っている親の気分。いつどんな事件が起きて2人が出会うのか?楽しみ。今の所まだ、あっと驚くような事件はないが、文章が上手いので、さくさく進む。今後エリオットが2人にどう絡んでくるのかどんだけ悪い事するのか?アーチャーだから、きっちりスカッと終わらせてくれるだろう。下巻へ。2012/09/15