内容説明
橋口雄一郎は40代のプロの結婚詐欺師。カツラ・洋服・職業・車を使い分けて変身、女性の心理を逆手に取る巧みな話術で誘惑し、金をだまし取っていた。東京・小滝橋署の刑事、阿久津は偶然かかわった結婚詐欺の被害届から、プロの匂いを感じ取り捜査を始めた。やがて松川学という前科者が浮上、身元の確認に追われる。一方、橋口はゴルフ練習場で見つけた女性に次の狙いを定めた―。
著者等紹介
乃南アサ[ノナミアサ]
1960(昭和35)年、東京生れ。早稲田大学中退後、広告代理店勤務などを経て、作家活動に入る。’88年『幸福な朝食』が日本推理サスペンス大賞優秀作になる。’96(平成8)年『凍える牙』で直木賞受賞
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
🅼🆈½ ユニス™
87
夢を与え、魂まで吸い上げるクズ男のストーリー。期待以上に面白くスイスイ読めた。下巻に移ります❗️2018/04/10
じいじ
86
数ある犯罪の刑罰のうちでも「詐欺罪」は、常々、少し軽すぎるのでは…と思っている。久しぶりに読みたくなった乃南アサ小説は、プロの「結婚詐欺師」にスポットを当てた物語を選んだ。主人公は、懸命ひた向きに生きる女性たちを食い物にする四十路の男。歯が浮くような言葉巧みに、つぎつぎに女を騙す悪者である。ときに怒り、あまりの手口の鮮やかさに関心もしながら…下巻に突入します。2022/03/10
アッシュ姉
84
洗練された身のこなしと巧みな話術で次から次へと女性を手玉にとるプロの結婚詐欺師。飴と鞭を使い分け、意のままに金を騙し取っては、次のターゲット探しにも余念がない。まぁ、あっちこっち忙しく立ち回ること。そのバイタリティを真っ当な道へ活かしたらどうよ。それにしても、こんなに簡単にお金出しちゃうかな。他人に渡せるほど持っていないので、さっぱり分からん。もし騙されたら黙っちゃいないけど、実際は泣き寝入りが多いのかな。経済的にも性格的にも、自分が獲物に向いてないことだけは分かったわ。悪党の行く末やいかに!下巻へ突入。2017/09/04
GAKU
73
たまたま図書館で見つけて借りてきた、20年程前に書かれた作品。TVドキュメント「警察24時」とかに出てくるような、結婚詐欺師橋口が、ベタな手口で女性を騙していきます。2時間ドラマを観ているような感じで、さくっと上巻読了。こんな手口で女性は騙されてしまうのか?と思いつつ、現実でもこのような手口で騙されてしまう女性被害者いますものね。詐欺師はそういうカモを見つける能力にも長けているのかな?引き続き下巻へ。これ面白いですよ〜! 2017/07/28
ケイ
69
ポケットベルなんて、20年近く前かな。なので、女性の意識も変わっているだろうが、適齢期を過ぎた30代、40代の女性に巧みに近づいてお金を絞り上げる男。乃南さんは女性だからか、女性がグラッとくる言葉や行動をよくわかつて書かれている。勿論、見る人が見れば陳腐な行動に態度なのだが、それを見破れないで宝物を手にしたかに思ってしまう女性たちもいるのだ。彼女たちは、いとも簡単に罠にかかってしまう。しかし、昨今よくニュースになる保険金詐欺師に命を狙われるよりマシかもしれない。彼女たちも夢をみれるわけだし。2014/05/15