出版社内容情報
【内容紹介】
1970年の夏、海辺の街に帰省した〈僕〉は、友人の〈鼠〉とビールを飲み、介抱した女の子と親しくなって、退屈な時を送る。2人それぞれの愛の屈託をさりげなく受けとめてやるうちに、〈僕〉の夏はものうく、ほろ苦く過ぎさっていく。青春の一片を乾いた軽快なタッチで捉えた出色のデビュー作。群像新人賞受賞。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mitei
336
あとがきに入っていたことに気づかなかったwとにかくバラバラ書かれていた印象をうけた。ちょっと本の分量が少なかったのではないかと思う。2018/05/05
旅するランナー
213
何度読んでも、この文体・リズム、ドライな人間関係の中の仄かな温もり、お洒落な会話、遷ろうメタファー...そんな村上文学のキレのある萌芽を垣間見て、心踊るのです。青春の後ろ姿を人はみな忘れてしまうことを思い出させてくれる気がします。生きてる作家の本にも価値のあるものはあるはずです。僕は・この小説が・好きだ。2020/05/31
ちなぽむ and ぽむの助 @ 休止中
181
デビュー作かつ青春三部作、羊四部作の1冊目。なんとも村上春樹っぽいエッセンスが凝縮された内容の濃ゆーい作品。ページ数は150p程度なんだけど、著者の書きたいことがぎゅっと詰まっている感じでなかなかさらっと読める感じではない。電話の女だったり井戸の話だったり、人間の存在理由や死への希求だったり。彼の永遠のテーマなんだろうな。 1回読んだぐらいじゃとても理解できてる気がしない。とりあえずお酒ぐびぐび飲んでも平気で運転したり、飲み終わった缶ビール海に投げ捨てたり、時代を感じました。貧困な感想…2019/02/14
おしゃべりメガネ
156
およそ20年ぶりぐらいの再読です。基本的にこだわりではありませんが、滅多に再読はしないので、我ながらとにかく珍しい出来事?です。とにかく自分の読書ライフにおいて、全ての原点が村上春樹さんにあり、さらには本作が自分の青春時代の指南の書なのは間違いありません。原点回帰というワケで、ここ7年ぐらいの期間でも同じ作品を読むことは記憶にない流れでの再読はある意味新鮮?でした。覚えてるセリフや文章が多々見受けられ、懐かしさで胸がいっぱいになりました。とにかく洗練された文章とオシャレな会話は映画を観ているようでした。2015/04/30
おいしゃん
55
村上春樹デビュー作。もう、30年以上前になるのか。出てくる表現が何を示唆しているのか、さっぱりわからないのだけど、ちっともイライラせずに読み進められる。村上春樹は高校のころ読破したが、またこうやって読み返していきたい。2014/07/09