感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
James Hayashi
33
76年初版。特に九州から海外に出稼ぎに出た人をからゆきさんと呼ぶ。娼妓であり密航婦である場合が多いという。ティーンエイジャーの若い女性が中心で、喰うに困る家庭から”口減らし“として売られた。著者はその家から出させた子を虐殺と呼んでいるが、家族を守る為の生け贄とも呼べよう。明治時代の事であるが、女性として人間としての人権など全くない時代。先日読んだ「サンダカン八番娼館」もからゆきさんを扱っているが、こちらは歴史的背景など広く浅く触れている感じ。2019/04/18
シルビア
0
明治時代からのいわゆる口減らしが公然と行われていたことのドキュメンタリー。読み始めは判然とせずからゆきさんの定義から始まっていましたが、読み進めるにつれて具体的かつ細かなリサーチの跡がありました。この世代の人々がいたから現代日本があるなどと美談では済まされない歴史がここにはあります。2023/10/04