出版社内容情報
古代人のトイレから,彼らの健康状態までわかってきた! 寄生虫分析や脂肪酸分析をはじめ,レーダー探査,年輪年代学,プラント・オパール法,地震考古学,そして文化財保存の科学など,学際的研究の進展はめざましい.何がどこまでわかったか.各分野の第一線の専門家たちが興味深いエピソードをまじえてわかりやすく解説.
内容説明
古代人のトイレから、彼らの健康状態までわかってきた。寄生虫分析や脂肪酸分析をはじめ、レーダー探査、年輪年代学、プラント・オパール法、地震考古学、そして文化財保存の科学など、学際的研究の進展はめざましい。何がどこまでわかったか。各分野の第一線の専門家たちが興味深いエピソードをまじえてわかりやすく解説。
目次
1 動物の骨からなにがわかるか
2 脂肪酸が示す世界
3 トイレの考古学
4 年輪から歴史を読む
5 稲作の起源を求めて
6 発掘人骨が明かす古代家族
7 遺跡探査の科学
8 地震考古学の誕生
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こだま
13
年輪年代学、放射線年代測定法など考古学に科学的な手法が取り入れられているよという内容。2015/11/25
takao
2
ふむ2024/04/26
ネコタ
2
20年前の本。考古学と自然科学の組み合わせによっていろいろなことを調べていく。骨・脂肪酸・トイレ・年輪・稲作などなど。コンピュータが使われ始めた頃の話などはデータベースの活用といった話。考古学も捏造の問題とかもあったけど他の本も読んでみよう。2015/01/07
だがやもん
2
新聞連載をまとめた一冊。考古学と自然科学の共同研究成果を紹介した内容。考古学には明るくないが「考古学に自然科学的手法の併用は欠かせない」程度の認識は持っていた。むしろ、昔は鳥獣の骨や植物といった自然遺物が研究対象として見られていなかった事に驚く。 「はじめに」と「おわりに」が大変残念。研究者にも様々な人がいる、として他研究者への不信感や自然科学へのコンプレックスを表している。都市開発に伴う遺跡発掘の増大し、充分な調査が行えず記録保存に留まる件が多いらしい。考古学が置かれている環境を紹介するのは大切だが、書2012/07/30
茶幸才斎
1
編者の佐原真氏は、考古学と自然科学との間に距離を、更に云えば自然科学へのコンプレックスを感じている。だから本書で紹介される、戦後の考古学における各種の成分分析や年代測定、遺跡の探査や保存の技術の発達とその成果に対し、実に感慨深げである。だが一方で、出土する鳥獣骨の分類は生物学者がやるべきだが仕方なく考古学者がやっている、発掘で忙しいのに、と佐原氏は云う。自ら他の学問との間に溝を作ってどうするのだ。かかる憧れと反発がない交ぜの不安定な心理状態が、考古学界全体のものでなく、氏の個人的傾向に過ぎないことを祈る。2012/05/19