岩波文庫<br> パンタグリュエル物語 〈ラブレー第2之書〉 (改版)

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岩波文庫
パンタグリュエル物語 〈ラブレー第2之書〉 (改版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 444p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003250228
  • NDC分類 953
  • Cコード C0197

出版社内容情報

第一之書の主人公ガルガンチュワ王は,その齢五百二十四歳に達した時王子パンタグリュエルを儲けた.王子はまだ揺籃にありながら食事の度に四千六百頭の牝牛の乳を飲むばかりか牝牛そのものさえ引き裂いて食べてしまう始末…….この恐るべき王子の成長とともに物語は行方も知らぬ大河のごとく果てしもなく展開してゆく.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

NAO

54
第二之書からは、ガルガンチュアの子パンタグリュエルの話に。パンタグリュエルとは中世伝説の人に渇きをもたらす小鬼だが、この作品では、パンタグリュエルは小鬼ではなく父同様の巨人で王国の跡取り息子。三百人の巨人たちや人狼と戦ったり、言い争っている貴族たちの調停をしたりと、王族らしい活躍を見せる。パンタグリュエルの喉元に住む人々の国とか、蘇生させた人狼が語る地獄めぐりの話など抱腹絶倒の法螺話もおもしろいが、冒険譚や法螺話に紛らせた裁判制度や教会に対する批判は、なかなか痛烈だ。個性的な家臣パニュルジュの存在も光る。2016/12/11

roughfractus02

9
父ガルガンチュアの物語(第一之書)より、息子が先に生まれるかのように本書は出版された(史実では、作者不明の小編「ガルガンチュア年代記」に作者が触発されて息子の膨大な物語から作ったとされる)。乳児の時から乳牛やクマを喰らったこの巨大児は、長じて中世7学科を極め、大学者と論争してあらゆる難題を解く。が、乞食パニュルジュに出会って家臣にすると、お金を稼ぐ方法とその3倍以上の使う方法を彼に学び、戦争に赴いてすぐ勝ちを収めればその後延々饗宴を繰り広げる。後世はこの転倒的暴走を「パンタグリュエリズム」と呼んだという。2019/09/29

てれまこし

8
書誌では第一之書よりこの第二之書が先に上梓されたらしい。それゆえか第一之書より思想的な要素は少ない。文筆で糊口を凌ぐため一般読者向けの滑稽話を書いたという感じ。といっても、人文学者の博識があちこちにちりばめられてるんだが、それさえ民衆的な洒落や地口の類でコケにされてる。神学者・法学者の厳かな言葉を茶化される。ドン・キホーテもそうだが、ルネサンス期にはどうも言葉から神性が剥ぎ取られた。生首を胴つなぐ話とか巨人の口の中にある町で暮らす荒唐無稽な話などは昔話にありそうだが、民間文芸が文学化する過程で生れたか?2022/09/02

mstr_kk

8
後半やや失速した『ガルガンチュワ物語』より、こっちの方が面白いです!ガルガンチュワの息子でやはり巨人の王子パンタグリュエルが誕生し、成長し、パリで修業し、母方の祖国(ユートピア)を救うため戦争し、「喉からから人」の国を平定し、病にかかり、全快するお話。言語遊戯の悪ふざけがベケット以上で、もう読むことが不可能なページすら多々ありますが、それも含めてずっと面白いです。内容も尻すぼみにならず、終始荒唐無稽。他の文学作品では味わったことがないような、素晴らしいメチャクチャさがあり、眼から鱗の感動です。2014/10/19

areazione

6
本巻からはガルガンチュワの息子パンタグリュエルのお話しです。才覚は親譲りのようで、若くして王者の貫禄があります。彼の大岡裁きは(流し)読む価値あり!本巻最大の面白キャラは、小悪魔的家臣パニュルジュでしょう。口がうまくて、ずる賢い。女癖が悪い。常に素寒貧で、ちょろまかすことばかり考えている。時には露骨すぎるギャグを放り込んだりもします。そんな彼ですが、デタラメ手話おじさんも顔負け必至の蒟蒻問答をやったりするので、侮れません。ルネサンス版地獄八景亡者戯とか、温泉の起源とか、(聞かなきゃよかった)小ネタも満載!2015/03/08

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