岩波文庫
落窪物語

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  • サイズ 文庫判/ページ数 460p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003004319
  • NDC分類 913.35
  • Cコード C0193

出版社内容情報

床のくぼんだ「落窪の間」や物置部屋に追いやられ、味方は侍女一人だけ。継母にこき使われる孤独な娘は、どうやって幸せをつかむのか?――平安時代の社会と風俗を活写して、読者の涙と笑いを誘いつづけてきた物語。古本「九条家本」を底本とし、原文を楽しく読める注釈で、生き生きとよみがえる継子物語の源流。

内容説明

床のくぼんだ「落窪の間」や物置部屋に追いやられ、味方は侍女一人だけ。継母にこき使われる孤独な娘は、どうやって幸せをつかむのか?―平安時代の社会と風俗を活写して、読者の涙と笑いを誘いつづけてきた物語。古本「九条家本」を底本とし、原文を楽しく読める注釈で、生き生きとよみがえる継子物語の源流。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

藤月はな(灯れ松明の火)

80
高校の時、現在文での「日本文学の変遷」分野で名前だけ、触れられている古典。物語文章ものには苦手意識を持っていたのですが、読んでみてその理由が分かりました。それは客観性を表現する三人称文や伝聞調にも作者の「上から目線」な主観が垣間見えるからだ。これは説教調であると同時に登場人物に対する読者の視点も含んでいるからこそ、読んでいて居心地が悪いと感じてしまうのでしょう。男君が忍んできて女君を抱きしめながら衣を脱がせる場面は、衣擦れの音が聞こえてきそうな程、官能的。朝から読んでいて思わず、顔が熱くなった場面でした。2017/05/06

山のトンネル

9
#古典への目覚め2023/06/29

アメヲトコ

5
生母と死に別れ、「落窪の間」に押し込められて継母から苛められる女君。そしてそんな彼女の存在を知り、思いを寄せる男君。まさに日本版のシンデレラというべき物語で、とくに前半部分は読者をハラハラさせる展開で引き込まれます。女君に仕える「あこぎ」や義弟の三郎君など、脇役もいい味を出しています。読解の助けになるのは脚註ですが、強引な推測を排し、不明な箇所、難解な箇所はそのままそう記すところに校註者の学問的誠実さを感じます。2017/03/28

シンドバッド

5
訳注が大変有難く、訳注がなければ、半分も理解できなかったであろう。その意味では、私にとって、難しい古典であったが、面白い。2015/04/21

大臣ぐサン

2
久しぶりに音読した。やはり古文は音読に限る。音を通してその時代に浸れるからだ。音読のせいで読むのに時間がかかってしまったのだが。落窪といえばシンデレラストーリーとして有名だが、継母である北の方の虐待は常軌を逸しており、典薬助に犯されそうになる当たりはハラハラする。しかし典薬助も醜怪であるものの憎みきれないキャラクターにしてあるのも見事。平安時代の少女達は落窪を少女漫画を読むように胸をときめかせて読んだのだろうかと、遠い平安の世へ思いを馳せた。2019/07/24

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