内容説明
相反する二つの時空が交差する『伊勢物語』という世界とは?「都」と「ゐなか」、「男」と「女」、「今」と「昔」。互いに相容れないはずの二つの世界が一つの物語として昇華する伊勢物語。文体・主題・享受の三つの視点から伊勢固有の世界をトータルに掘り下げ、その特質と変貌、享受の歴史を辿る。
目次
第1章 文体と方法(「昔」と「今」―伊勢物語の文体;「かの」―伊勢物語の遠近法;伊勢物語における散文と和歌―連接形式の意味 ほか)
第2章 主題と人物像(伊勢物語の悪女;右近の馬場の恋―九十九段を考える;「人しれぬ」と「心やむ」―五段の人物造形 ほか)
第3章 享受史の中の伊勢物語(古注の世界―物語注釈としての説話;ふたつの「芥川」―室町中期伊勢物語注釈の虚構理解;伊勢物語の「誹諧」―宗祇の注記をめぐって ほか)
著者等紹介
山本登朗[ヤマモトトクロウ]
1949年生まれ。京都大学大学院博士課程単位取得退学。光華女子大学講師、同大学助教授を経て、現在、京都光華女子大学教授、京都光華中学校・京都光華高等学校校長。専攻は、平安朝文学
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